Dandelion Ⅰ 【赤】 (ページ7)

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orange side～

「……大の大人が熱で入院なんて、聞いたことないで？」

あれから3時間後。

夜に大人数で病院へ行っても迷惑やからと、俺がメンバーを代表してしげのお見舞いに。

病院に行けば、41度を超える熱。

熱が下がるまでは入院。

だいぶ無理したんでしょうね、とお医者さんも苦笑いやった。

「なぁ、俺も初めて聞いたわ、」

自分が入院する事を他人事のように言いながらいつものように、にへらと笑うコイツ。

「自分の事やで。…ホンマにアホの子やわぁ、」

俺がそう言うとまたへらりと笑った。

「あ、せや、今日のラジオ収録崇裕とやったやろ？あれ、来月の流星と交代らしいから覚えておいてな。」

「…ん、わかった、……ありがとう、」

途端に少し申し訳無さそうな表情を浮かべるしげ。

「ええねん、ええねん、はよ元気なってな？」

そう言うと、シゲはなんだか悲しそうに笑った。

「……な、あきとっ、？」

伺うように見つめる不安そうな瞳がこちらを向いていた。

「ん？…どした？」

なるべく優しい声で応えるとその瞳が不安げに揺れる。

「みんな、怒ってへんかったっ、？…今日さ、俺、良く出来なくて、みんなにも迷惑かけてさぁ、」

具合悪い上に足も怪我してて。

そんな状態では、寧ろ上出来すぎるくらいやったのに。

しげの悪い癖。

上手くいかないと自分のせいにして、たったひとりで抱え込む。

思わず溜息をつけば、小さく肩を震わせたしげ。

「あんなぁ、ほんまに迷惑ちゃうから。みんなも怒るわけ無いって、しげもちゃんと分かってるやろ？」

まぁ、正直もうちょっと頼って欲しかったなぁって思うけど。でも、それがしげやもんな。

｢…みんなちゃんとしげのこと分かってるから、安心し？」

そう言ってフワフワと可愛らしい寝癖がついている頭を撫でてやると、少しホッとしたような顔をしたかと思えば、直ぐに顔を歪めて布団を頭までかぶってしまった。

「ぇ、どした？…具合悪なった？」

「っ、ちゃうわ、！……あほ、！」

鼻水をすする音と共にしげの涙声。

なんやねん、心配して損したわ。

別に泣いてるの隠さんでもええのに。

「あほはお前やで……もぉ、」

不器用すぎるしげが凄く可愛く思えた。