Dandelion Ⅰ 【赤】 (ページ5)

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pink side～

生放送が始まった。

ひな壇、俺はしげと隣りで。

しげのことを心配しながらも、番組はどんどん進んでいく。

座っていても上半身がフラフラしているしげ。

少しだけ強く腕を引っ張ってやると、思っていたよりも素直にコチラに身体を預けてきた。

「…こたき、ごめっ、」

誰にも聞こえないくらいな小さな声で謝ってくるしげ。

「気にせんでええから。力抜いとき？」

「…ん、」

その身体は衣装の上からでもわかるくらいに暖かくって。

これで足も捻挫しているんやから、本当に気の毒。

どちらかでもいいからひとつくらい代わってやりたいな、なんて。

でも、司会者から振られてもいつも通りの笑顔で受け答えをしていて、具合悪いことを感じさせる様子は無い。

凄いなぁ、なんて感心していれば、もう俺らの歌う番だった。

今回のこの曲は、割と激しめのダンスやったから心配していたけれど、彼のパフォーマンスンからは、しげの調子悪さなんて一ミリも感じられなくって。

最後、しげが俺と濵ちゃんの間に入る時に倒れながらこっちに来たのにはちょっと焦ったけど、当の本人はニコニコしていて。

不自然にならないように、熱すぎる身体をギュッと俺の方に引き寄せた。