ガラスの靴見つけた（JW） (ページ29)

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試合当日　～7～ページ29

進行「第一種目はワルツです」

濵「高野、いくで！」

『はい！』

　とにかく頭を真っ白にして、先輩に体を預けて初練習会の時みたいに何も考えずに踊ろう。

ごく短い時間で曲が流れた。けど、私にとってはとても長くも感じた。何かを考える余裕なんてとてもじゃないけどなかった。

曲が終わったとき、はじめて周りの歓声が聞こえてきた。

私、これで大丈夫だったのかな？

濵「高野、良かったで！デビュー戦で最初の踊りがここまでのレベルなら、上出来や！
これがもし一回戦落ちでも、高野がここまで踊ってくれて俺は満足や。
残りの種目も頑張ろうな！」

と、濵田先輩が興奮したように言葉をかけてくれた。大丈夫だったんだ。

フロアから退出して

『よかったぁぁ～』

と一言もらして、思わずその場にへたりこんでしまった。

濵「お、おい高野？！最初の曲が終わって安心したんやろ。
もう大丈夫、ちょっと時間があいたら次の曲やから、その間に気持ち切り替えてな」

『はい、わかりましたぁ・・・。』

なんだか呆然としてしまって、気持ちがふわふわする。次の曲かー。
って、次の曲、クイックステップだ！！１種目だけで終わりじゃないんだった。
早く先輩のところに行かなきゃ。

二つ目の種目も無我夢中で踊り、とりあえずモダンの一回戦を通過することができた。