4話 ページ4
.
じんわりとビルの間を縫って上る太陽は、人工的な灯りに塗れたコンビニまで照らしてくる。
早朝バイトとの交代まではあとちょっと。
工場勤めの客のピークも過ぎて、てんわやんわだったレジから途切れた列を見てひと息つく。
俺は仕事量が少なくなったどころか、いつものほぼ半分なので、拍子抜けしてしまうくらい疲労は少ない。
だけど隣のレジでせっせと働いていた百瀬さんは、それなりに疲れたようだ。
その場で軽く屈伸して、持参してきた水筒を傾ける。
『この店、すごい朝日入ってくるんですね』
「あー、うん。入ってくるなあ」
俺もペットボトルを取って、キャップを捻る。
このまま会話が途切れたらそのまま気まずくなってしまいそうで、慌てて口を開いた。
「百瀬さんって、夜勤歴どのくらいなん？」
『高校卒業してからなんで、1年強くらいですね』
「へー、大変やなあ」
『秋吉さんは、夜勤始めて長いんですか？』
「どうやろ。このコンビニやと2年で…、あ、でも前のバイトも合わせたらもっとか」
『2年かあ。…やっぱりそれだけ夜勤バイトするのって、なにか夢追いかけてるからですか？』
「は？」
俺から、初対面の年下にする返事とは思えない声が出たところで、入店音が響き渡る。
とりあえず会話を切り上げて、第2のピークの対応に集中した。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 117人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「芸人」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
オドル・チャイコフスキー(プロフ) - 名無しさんさん» 本当ですか！？迷惑だなんてとんでもないです…！またお時間の大丈夫な時に送っていただけましたら嬉しいです！ (2022年2月24日 10時) (
レス) id: 69edd5c767 (このIDを非表示/違反報告)
名無しさん(プロフ) - オドル・チャイコフスキーさん» また落ち着いたらゆっくりデジタルで綺麗に描きたいです…（ ; ; ）また描けたら送っても良いですか…！？（迷惑） (2022年2月24日 0時) (レス) id: 7dbff3fa59 (このIDを非表示/違反報告)
オドル・チャイコフスキー(プロフ) - 名無しさんさん» ありがとうございます！大事に保存させていただきました！宝物です…！！ (2022年2月24日 0時) (レス) id: 69edd5c767 (このIDを非表示/違反報告)
名無しさん(プロフ) - オドル・チャイコフスキーさん» わあ〜！！喜んでいただけて嬉しいです〜！！！！！あんな雑なものでよろしければカメラロールにお邪魔させてやってください…！！m(__)m (2022年2月23日 15時) (レス) id: 7dbff3fa59 (このIDを非表示/違反報告)
オドル・チャイコフスキー(プロフ) - 名無しさんさん» コメントありがとうございます！素敵なお言葉に加えて、イラストまで…すごくすごく嬉しいです！こちらのイラスト、保存させていただいてもよろしいですか？ (2022年2月22日 20時) (レス) id: 69edd5c767 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：オドル・チャイコフスキー | 作成日時：2022年1月16日 17時
