3話 ページ3
あれから尾形は病院へ入院となり、意識を取り戻したわずかな時間に指で“ふじみ”と書いた。
骨折したアゴの所為で喋る事が出来なかったのだ。
それを受け、玉井伍長と他3名があの山へ調査に入ったが、誰も帰る事はなかった──。
そして鶴見中尉含め捜索に出たのが今朝のこと。
もうすっかり暗くなる中、Aは鶴見中尉の傍らに立っていた。
「鶴見中尉殿。手がかりは見つかりませんでした」
「やはり無い、か……」
鶴見中尉は切り立つ崖の上に立ち、闇の立ち込めた山々を眺めている。
降っていた雪が次第に強くなってきていた。
「鶴見中尉殿……これ以上の捜索は困難です。この雪がすべての痕跡を隠すでしょう」
やって来た兵士の言葉をきき、鶴見中尉は山から視線を移す事なく話し出す。
「4人とも山に慣れない者ではなかったはずだ。谷垣においてはマタギの生まれだった。遭難したとは考えにくい」
よほど違和感を感じているのだろう。
「鶴見ぃー!!」
後方からの声。
振り返ると和田大尉が馬を降りる姿があった。
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ra(プロフ) - プスメラウィッチさん» しがない字書きにコメントありがとうございます🙇とても元気をもらえました。実はこのサイトで文章トレスされてしまっていたようで、もうここには投稿しない方針で考えています。pixi⚫︎の方などに投稿するか検討しているのでその際はお知らせいたします (1月31日 22時) (レス) id: e3ec8bd41f (このIDを非表示/違反報告)
プスメラウィッチ(プロフ) - 続きの更新頑張って下さいね😆応援しています。 (1月31日 15時) (レス) @page26 id: b10205217f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ra | 作成日時:2021年5月13日 1時