【テニプリ】こっち向いてほい Ⅱ (ページ7)

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白石side ページ7

「…ほんまなんやな、それ」

昼休み、俺は思わぬものを見た。

目の前で捨てられたAのジャージ。

これを捨てた男子生徒は、三年のとある女子生徒から頼まれて実行したらしい。

その女子生徒の名前は花田あいり。

どこかで聞いた名前やと思い、脳みそをフル回転させて思い出す。

――あぁ、前に俺に告白してきた女子や。

…簡単に考えて逆恨みやろか。

こんなんしても俺の気持ちは変わらへんし、誰も幸せにならん。

「おん…。あいりちゃんは欲しい物は必ず手に入れるんや。

汚れ仕事は手駒の男にやらせて美味しい所を持っていく…それがあいりちゃんなんや。」

「…お前、知っててこんな事やったん？」

「俺はあいりちゃんが好きやねん。せやから、あいりちゃんが頼ってくれて嬉しかったんや。」

頼ってくれたやて？

こんなん良いように利用されてるだけや。

「すまん。間違った事しとるのは分かってるんや。

…でも俺、あいりちゃんが喜ぶ顔が見たくて…。」

好きな子の喜ぶ顔が見たい。

その気持ちは理解できる。

せやけど、そう易々と許すっていうモンやないやろ？

「反省しとるんやな？」

「はい…。ほんまにすまんかった。」

「せやったら、放課後にその”あいりちゃん”呼び出してくれへん？」

「…えっ？」

俺はその子の事をよう知らん。

…せやけど、俺が原因の可能性がある。

俺のせいでAが危険な目にあっとったのかもしれん。

…俺が、助けたるからな。