【テニプリ】こっち向いてほい Ⅱ (ページ1)

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マラソンページ1

午後の体育の時間。

今の私はきっと気持ち悪い顔をしているだろう。

…理由は簡単。

今着ているジャージが謙也くんのものだから！

あー謙也くんの匂いに包まれている…。

…なんや謙也くんに抱きしめられてるみたいな…

って何考えてるんや！

「Aご機嫌やなぁ。いっつも体育嫌がっとるのに。」

「そないにマラソン好きなん？」

あやちゃんとゆりちゃんの声に私の表情はピタリと止まる。

「きょ、今日ってマラソンやったっけ？」

「せや。前の時間言ってたやろ？」

「ほんま面倒やわ～」

ま、マラソン！？

そういえばそんな事言っとったかな…。

うかつやった…。

うち、体力続かへんから毎回最下位近くなんや…。

「休めばよかった…。」

「あははっ言うと思ったわ。」

「でも、今年から部活入ったんやし、体力ついたんやない？」

「…マネージャーやけどね。」

帰宅部だった去年よりは良い順位が期待できるやろか。

「女子からスタートするぞー並べー」

「嘘やろ。」

普通距離が長い男子からスタートさせるべきやない！？

…なんて心の声は先生に届くはずもない。

私はゆりちゃん、あやちゃんと共にスタート地点に並ぶ。

「一緒に走ってくれたり…。」

「目指すんトップ5やけど」

「ついて来れるんやったらええんやけどなぁ…。」

…やっぱりや。

去年もこの二人にマラソン置いて行かれたんやけど、今年もなんやな！

そんなに体育の成績が欲しいんやな！！

うちも欲しいわ！

「ほ、ほな頑張ってな。」

――ピーーッ

うちの健気な声援は先生が吹いた笛の音にかき消された。

……す、スタートの合図や！！

一斉に走り出すクラスメイト達。

あぁ、今年も安定の順位になりそうやなぁ