大きな声で独り言を言うな！ ページ6
初対面でいきなり素っ気なくされた私は、心の中で「必ずメア皇子を自分に夢中にさせる」と決心した。
う〜ん…まずは部屋に押し入ってみようかな。
『すいません、メア皇子の部屋に行きたいんですけど…』
従者「ええ！？メア皇子の部屋にですか！！？」
うおっ、急に大声出された。
『何か問題でも？』
「いえ……少々お待ちください」
急いでどこかに行っちゃった。あーあ、ドアがちょっと開いてる。閉めに行かなきゃ…。
ドアノブに手をかけた時、廊下からの視線に気付いた。
『…リュゼ皇子？』
何してるんだろう…。
こっちに来ないということは、まだ私に気付かれてないと思ってるのかな？
ううん……。
ま、良いか。そっとしとこう♪
従者「姫〜、メア様の部屋の入室許可が出ました〜」
遠くから従者さんが私に言った。
よし、じゃあ行ってみよう！
従者「私もついて行きましょうか？」
『いえ、1人で行きます！』
従者「そうですか…」
なんだか不安そうな顔を向けられた気がするけど、気のせいだよね？
ここがメア皇子の部屋かぁ！…イナコのお城の半分くらいの大きさありそう…。
ええと、まず何から言えばいいんだろ。あ、挨拶？…なんか微妙な気もするけど…まあいいや、そんなに考えたってしょうがないよね。
ゴホン、と低い咳払いをしてから、
『メア皇子〜っ、こんにちは〜Aで〜す』
と、精一杯の猫なで声を出した。
メア「…………」
返事無し！
ふふ…甘いわね、メア皇子。これくらい想定内だぞ！！次の作戦！！
メア皇子の趣味は調査済み！あのメア皇子でも同じ趣味の人とは話せるはず！
『私、キュアランに憧れてて〜…』
「ふん、どうせにわかのくせに……」
よし、こっちに興味を持ち始めた！
『そんなことないですよぉ〜↑？この間なんかぁ、…あ、恥ずかしいから部屋の中で話したいなぁ〜↑？』
「嫌だ」
う〜ん駄目だったかぁ…。
仕方ない、ここは一旦引いた方が…
「…でも……本当にキュアランファンだったら……凄く話したい……」
こ、これは独り言のつもりなのかな？かな〜り漏れてますけど？
「ど……どうすれば…！」
そんなに悩む？
「し、仕方ない。一旦帰ってもらおう。気になったら明日呼ばせよう……。ゴホン！……帰れ」
あ〜これは…最後のだけ聞こえてると思ってますね〜。
うん、とりあえず今日は帰ろう。明日もアプローチしに行こうっと。
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作者名：べっこう飴 | 作成日時：2019年1月26日 0時
