閉じ込めるな！ ページ4
『ここから！はやく！出してください！』
「そうですね…では、もう一度さっきのをやったら帰っても良いですよ。その頃には私の事も気に入るはずです」
『はぁ！？嫌です！』
「悪いですけど、私もなかなか堪えましてね…大丈夫です、気持ちよかったでしょう？」
『それは…そうですけど、帰りますー！！ギャー！！壁においやらないでください！』
壁の隅にだんだん近づいてきた。もう少しで背中と壁がくっつく。
「少しうるさいですよ！静かに！」
『だったら近づかないでくださいよ！』
しまった、もう後ろへ行けない！周りも本がいっぱいで逃げ道ないじゃん！
「だぁから…。…仕方ない、強硬手段！！」
逃げ場が無くなり、クロムが近づいてきた。クロムとの距離が小さくなっていく。
『近いです！』
「悪いのは貴女ですよ？」
『んっ』
意地悪な笑みを浮かべたと思ったら、顔が重なり、唇を奪われた。舌と舌が触れ合っている。
い、息ができない…肩の力が抜けない…。
時々漏れる隙間から、私とクロムの声が出ていく。
、
『ぷはっ……』
「…ほら、気持ちよかったでしょう？」
『……』
「こういう事されるの慣れてないんですね、急に静かになりましたよ」
『う、うるさいっ…はぁ…はぁっ……』
「息も出来ていなかった。これから毎日、キスの仕方を教えて差し上げますよ」
『最低……っ』
「今日はもうかえって良いですよ。今日あったことは…いや、元から誰にも言うつもりは無いようですね」
クロムに服を着せられ、くたくたのまま部屋を出た。
テオ「姫様、おつかれ…って、本当にすごく疲れてる…。何かあったのか？」
『いや…ちょっと、言い争いしすぎただけ！』
「なら良いんだけど…」
あーもう、今日の事は忘れよう……。疲れた…。
「あ、そういえば、明日の朝食も誘われたよ。俺は行けないけど、朝起こしに来るな」
『あ〜、ありがと…』
明日もあるのか…憂鬱…。
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作者名：べっこう飴 | 作成日時：2019年1月26日 0時
