【ダメプリ】攻防戦 (ページ21)

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寝るな！ページ21

｢いや、可愛いな！顔も声も体も性格もぜーんぶ！可愛い！！｣
『ねえ本当にやめてよ！恥ずかしくなってくる！可愛くない！！』
｢可愛い！！｣
『可愛くない！！』
｢可愛い！！！｣
『可愛くない！！！』
｢しつこいぞ｣
『そっちこそ！』
｢分かった、分かった、大陸一ってのは取り消す！！だけどな…｣
『……っ？』
｢俺は姫様が好きだから、俺には物凄く可愛く見えてしまうんだ！！！｣

『……っええ？』

｢……………え？｣

流れるようにテオの口から出てきた言葉に、私は返事が出来なくなってしまった。
思わず顔を下に向けた。
私達はまた目を合わせられなくなった。今度はソファの解れた糸を探したが、セレンファーレンのソファにはそんなものは無かった。イナコに戻ったら、せめて客間のソファだけでも手直ししようかな…。

『…ええと、テオ…』

私と同じく、テオも言葉を失っていた。しかし私の腕を掴む力が弱まることは無かった。逆に強くなってきている。
テオ、テオ、といくら名前を呼んでも返事が無い。

｢………｣

テオの顔が私の近くまで近付いてくる。テオは目を瞑って静かに私に身を寄せた。

こ、このまま、キスしちゃうの……？
そんな、そんなの……。

『ま、まって………ぎゃっ！！』

焦る私をよそに、テオは私の唇にも耳の横にも特に何もせず通り過ぎると、私に覆いかぶさるように寝てしまった。

『痛ぁ……』

ぶつかった衝撃だけでも私とテオの身体の違いが分かった。テオは筋肉とかその他諸々、色々硬い。何処も彼処も鍛え抜かれている。
これが男女の体格差なんだね。ちょっとドキドキしなくもなくもない。

…うん、でも……こうしてると、昔みたいでなんだか気持ちいいなぁ。

『…ふぁ』

ね……眠い…かも……

あぁ、テオだって寝てるし、私も寝ていいよね…。

『…おやすみ、テオ』

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｢……くぁぁ…｣

…ん？俺、いつの間にか寝てたのか…。すごい寝心地良いなぁ。流石セレンファーレン。イナコにもこのベッドを輸入してほしいくらいだ。

｢うん…なんか、この丸くて柔らかいのも良いなぁ………って、何だこの感触｣

……？？？

｢…………はぁ！？ひ、姫様…？｣

な、なんで俺、姫様の上で寝てたんだ！？
も、もしかしてもしかするのか！？………い、いや、無い無い無い！！！

……ていうか俺いま……姫様の…む、胸…を…。