嘘をつくな！ ページ3
クロムは、私を一瞥してから扉の鍵を開けた。何かあったみたい。だけど…私には関係ないよね！
ていうか、やっと解放されたよ。な、何だったの、あれ…。
とにかく今、条約について話すのは危険っぽいな。
よし、逃げましょう。
静かに行けばバレないよね〜。
息を潜め、クロムの横を静かに
「…おや、そんな恰好で何処へ行くのですか」
『ひっ！』
バレるの早っ！！
てか、そんな恰好って…？
えええ！！！？
「！姫様…もう相手をお決めになられたのですね。なんとお熱いこと……」
『や、違います違います！』
「ええ…姫から服を脱ぎ始めた時は驚きましたよ。ですが、部屋の外に出る時に下着だけとはあまり感心しませんね」
「じゃあ、私はこれで…」
『本当に違いますから！！！』
「いや、恥らわなくても良いのですよ」
「ふふ…A？続きがしたいなら部屋に戻っていて」
な…なんて性悪なの……
よし、私絶対にクロムとは婚約しないぞ！！
まあ部屋には入りますけど！従者さんも「ヒューヒュー」とか言わないでー！！
「お待たせしました」
『クロム、さっきのは何ですか！あと、また鍵を閉めないで下さい』
「ふたりっきりになるには鍵を閉めなければ…」
『ふたりっきりにならなくて良いので、鍵を開けてください』
「嫌です♪」
『うっ』
にっこり笑顔で答えられると、こっちも怯む…。
「さて、部屋に入ったという事は…続きがしたかったんですよね？」
『違います！あのまま外に居続けるのは恥ずかしかったんですよ。第一、私は服を脱いだりしてませんし！』
「ああ、私がやりました」
そんなさらっと白状する！？
「さ、続きを…」
手を伸ばすクロムの体を押した。
『や、め、て、く、だ、さ、い！』
「この私に力で勝てるとでも？」
『ぐっ……』
「冗談ですよ。…本当は、婚約したくないという要件で来たのでしょう？」
知っててやっていたのか。でも、分かってくれてるのなら、婚約はしなくていいようにしてくれるってことだよね？
「無理です」
『ええ！』
「このまま私に嫁げば良いのでは？」
『嫌です』
「しかし、このままでは貴女は婚約者でもない人の前で服を脱いだ阿呆と思われますよ？」
それは……つらい……
で、でもクロムとなんて！！
「そんなに嫌ですか。さっきまであんなによろこんでいたのに」
『っ！！』
もう〜〜！！絶対無理！
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作者名：べっこう飴 | 作成日時：2019年1月26日 0時
