真相 ページ44
「バルサめ……やっと死んだか。これでヴァンサン派の主要人物は空軍のミュレー派除いて皆殺しにしたな。おや、そろそろあの方が来る頃か」
グーチィは酒を手元に置くと駆け足で肌寒い外へ出ていった。そして目当ての人物に最上級の例をすると
「ようやくやりました。バルサは何も気づいていないはず……第一艦隊は壊滅し、海軍戦力は衰えました。宣伝次第で陸軍の予算が増えるでしょう」
「良くやってくれたね、グーチィ君。これでミュレー以外の邪魔者は消え去ったか」
「はい、ミュレーももうじき地獄に送ってやります。閣下と陸軍の繁栄のためならば」
「ありがとう」
二人は勝ち誇って笑うと中に入って酒を酌み交わした。グーチィ大将の伸びた顎髭が微かに笑っている。
「グーチィ君、ロベール君やマルシアル君はどうすればいいのかね?」
「反抗的なら処刑、従順なら功績を認めてやるといいでしょう」
「やはりそうか。よし、早速呼びつけるか」
男は丁寧にまずロベール大佐から呼びつけると椅子に深く座った。その様子は異様だっただろう。だが、誰も驚かない。先ほどの一万余人とは違ってここの者はみんな知らされているのだから。
まさか邪魔者を消すためにこんな馬鹿げたことをするとは大佐は目にも思わなかったようで、要請をすぐに承った。
「バルサ長官が上手くやったんだな。司令長官に任命されるだけはあるよ。軍人の本分としてはどうかと思うけど」
住民の救助を一通り行った大佐は食料配給を開始し、彼らと触れ合った。彼らをこうさせたのは紛れもなく自分なのだが思いのほか親しく接してくるため一人触れ合うごとに胸がギュッと締め付けられるようだっただろう。だが彼は人を助けることが嫌いではない。寧ろ好きだ。だからそのくらいは我慢できていた。
「分配が終わったら行くか……警視庁はいいかな、もう」
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デ・ロイテル(プロフ) - 特命さん» ご清覧ありがとうございます。そうでしたか、失礼しました。見つけ次第すぐに対処致します。本当ですか!?ありがとうございます。推敲には力を入れているのでそう言っていただけると嬉しいです。続編の方もよろしくお願いします。 (2018年10月5日 21時) (レス) id: 707fc28c68 (このIDを非表示/違反報告)
特命 - 楽しく読ませて頂いています。どこかに「機器」が「危機」になっている箇所と、助詞の「は」が重複して「はは」になっている箇所があったようです。勘違いでしたらすみません。これほどの長さの文章で2カ所だけってすごいです。続き楽しみにしています。 (2018年10月5日 21時) (レス) id: 3f4c6d750f (このIDを非表示/違反報告)
デ・ロイテル(プロフ) - 次で50話ですね。キリ悪い…… (2018年10月4日 0時) (レス) id: 707fc28c68 (このIDを非表示/違反報告)
Olivie(オリヴィエ)(プロフ) - デ・ロイテルさん» これからも頑張って!!おうおう、良かった〜……(チャット化しそうなので返信不要) (2018年9月30日 0時) (レス) id: 26b767d003 (このIDを非表示/違反報告)
デ・ロイテル(プロフ) - Olivie(オリヴィエ)さん» いえいえとんでもない!これからも精進しなくては!嫌うなんてないで。三笠と一緒に居れるねんで?ぜーんぜん怒ってへんよ。 (2018年9月30日 0時) (レス) id: 707fc28c68 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:デ・ロイテル | 作成日時:2018年8月12日 0時