【呪術廻戦】現代最強の彼に溺愛されています。

１ 怪我 ページ6

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体の傷は怪我しにくいようにとデザインされた学ランに隠れて見えないけど、夏油先輩の目元には何者かに殴られたような痛々しいアザが浮かび上がり、おでこからは血を流している。悟くんの頬は赤い切り傷があり、口元から血を流し唇の端は真紫のアザができている。


『ちょっと、何でそんなボロボロなんですか……！？』

「「………」」


ボロボロの制服を纏った満身創痍の彼らに、怪我なしと聞いていた私は彼らを見た瞬間悲鳴をあげそうになって口元を押さえた。
私の問いかけに最強二人は罰が悪そうに顔を背けてお互いの事を指さした。



「馬鹿だろお前ら。私は治療しないよ」

『……え？』




遡る事３時間前_____



悟くんと夏油先輩は二人合わせて最強と呼ばれている。歳下の私が言うのもなんだけど、あの二人はまだまだ年端も行かぬ少年にも関わらず既に呪術界を担う重鎮なのだ。


悟くんの持つパワーは現代の呪術師を軽く凌駕し、産まれた瞬間から世界の均衡が変わったなんて言われてたくらいの凄まじいものだ。


夏油先輩はご両親が非術師の一般家庭の出でありながらも２年生にして一級術師で、あの若さにして呪術師として着実に完成されている。


そんな二人が派遣される任務だから当然危険度も難易度も高い。いくら最強と謳われていても怪我をすることは全く無いわけじゃない。



「今終わったって。二人とも怪我なし」

『さすがですね。良かった』



補助監督さんから連絡を受け、二人の安否を確認すると私は安堵した。高専関係者は大きな怪我のある場合は反転術式で他人を治療することのできる硝子先輩の元へ運び込まれる。


事前の難易度から現場にて大きな変化がない限り、基本的にはどの程度の怪我で済むかは本人も硝子先輩もわかるらしい。もちろん何があるか分からない為出来るだけ待機はするが、今回も事前の予想通り怪我なしで終わった。


私は悟くんが任務に行くと決まって硝子先輩と一緒に彼の帰還を待つ。その時間もあってか硝子先輩とは入学してからすぐに仲良くなった。


一個上は黄金世代だ。
硝子先輩の能力は呪術界でも稀で、高専ではかなり重宝されているいる。最強二人とはまたベクトルの違う強さがある。


硝子先輩によって助かった命もあるらしいし、何しろ現に最強コンビも硝子先輩に何度もお世話になっているらしい。
……私としてはあまりお世話になって欲しくないけどね。

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