6 出張 ページ11
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高専に入学してからまだまだ日の浅い私は初めての出張任務に緊張していた。学校の同級生と新幹線に乗ることが初めてだし、何より1番の心配事といえば幼馴染の事だった。別にたかが任務で、という感じではあるが悟くんは自分以外の男の子と私が自分のいない場所で行動を共にするのを本当に嫌う。
今回の任務は同期の七海くんと二級呪霊討伐で、任務が決まった瞬間から今日まで悟くんには一切言わないで来た。鬼のように連絡が来ることが既に目に見えていたので、ひとまず任務が無事終わるまで携帯の電源を切る事にした。
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「……は?何で電話繋がらねーんだよ。クソが」
「……うわ」
家入が教室の扉に手をかけた瞬間、中から押し寄せた禍々しい負のオーラにギョッとする。中に特級呪物でもあるのだろうかと教室に入るとそれは五条から発せられたものだった。
だらしなく机に頬杖を着いて大股開きでイライラ全開で貧乏ゆすりまでしてる。これが良家出身のお坊ちゃんの振る舞いなのか。いや、ただのヤンキーだ。
「出張行ったらしいよ。七海と二人で」
「ああ……」
誰が、などと言う問いは愚問だ。1人しかいないからだ。五条の情緒はAによって決まることなど五条と付き合いのあるものなら誰もが知ることだ。最初はそんなAに大変だな、と哀れみの気持ちがあったのだがいざ二人でいるところを見るとAの方も満更ではない。むしろ人目をはばからずイチャつき始めることなどしょっちゅうなのでここの2人の関係には触れない方が賢明だろう。
「こいつのA絡みメンドすぎない?」
家入が教室に入ってから五条はずっと携帯を触っている。高速で釦を押して電話をかけ、【おかげになった電話番号は___】の自動音声が流れるくだりをかれこれ10回以上は繰り返している。
「これ、いつまで続くの?」
「Aが帰ってくるまででしょ」
「あの子いつ帰ってくんの」
「今日中って私は聞いたけど」
「へ〜、場所は?」
「新潟」
新潟となると移動にもかなり時間を要する。家入は帰ってくるの夜頃になるんじゃ、と頭の中で思っていたところに今朝何となくで見ていた朝の情報番組を思い出す。
「あ、新潟って今日____」
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真理亜 - 夢主と誕生日一緒なんだか!好きぴと誕生日一緒💕 (1月22日 19時) (レス) @page5 id: 2ba0617eeb (このIDを非表示/違反報告)
エンドラーク(プロフ) - めちゃくちゃ好きです!!パスワード保護されてる小説はもう見れないのでしょうか….. (2022年8月22日 1時) (レス) id: 716a03fe49 (このIDを非表示/違反報告)
泡沫(プロフ) - がんばってください、陰ながら見守ってます(*´˘`*) (2021年3月22日 18時) (レス) id: 2bbd9ff8c5 (このIDを非表示/違反報告)
桜雪(プロフ) - 美波さん» ありがとうございます!頑張ります! (2021年3月20日 9時) (レス) id: ef0eaf48d3 (このIDを非表示/違反報告)
美波(プロフ) - めちゃくちゃ好きです...(;_;) 更新頑張ってください!! (2021年3月19日 8時) (レス) id: 1b90c873e2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:桜雪 | 作成日時:2021年3月13日 22時