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愛吐 39 ページ48

太宰さんは鏡花ちゃんに電子盤の操作方法を指示する、が当然従わない。彼女はすっかり諦めていたのだ。それに対して太宰さんは本当は我々は君を救助する理由がない、入社試験をクリアしていないからだ、と続ける。


彼女の監視任務を課せられたとは云え、正直鏡花ちゃんとまともに話したのは一度だけだ。

泉鏡花の特性として、挙げられるものがある。彼女は人間不信である。親の仇である異能力が大嫌いで利用された挙句悪用される。ならばその特性を元に話を捏造すれば完璧だ。


全てはこの任務を成功させるためだ。


横浜を守ることはポートマフィアを守ることだ。



「元殺し屋に善人になる資格はない。…君は本気でそう思っているのか?」

突如、耳に入ってきた言葉に心臓が揺れた。

どうして、そんな事___________


「鏡花ちゃん。人には向き不向きがある。そして君には明らかな殺しの才能がある。だから君は探偵社員にはなれない。君はそう思っている」


「全く莫迦々々しい」


「たかが35人くらい何だ?いいかい鏡花ちゃん。君は探偵社の凡てを知らない。自分自身の凡ても知らない。凡てを知る事は誰にもできない。それを"可能性"と云うんだ」


「君に契機をくれた敦くんだって元は災害指定猛獣だ。でも彼は今、その近くの空域で命を懸けて戦ってる。街を守る為にね」


太宰さんのその言葉に魅了され気付くと私の足も動いていた。


『鏡花ちゃん…櫻田です。聞こえる?』

「貴方は…」


ヘッドフォンの先から聞こえる声は震えていた。私こ声も震えていたかもしれない。

しかしそのまま続ける。


『貴方は、私やポートマフィアが憎いとかつて云った。私…否、私の知り合いの女の子もそうだった』


『彼女は闇には向いていないと思う。強い異能を持っている訳ではないし、組織随一の頭脳を持つとか、残虐さに長けていると云うよりは寧ろ情の方が残る』


そう、私だって何度自分の立場に悩んだことか。


『でも、其処で彼女は生きる意味を見出したの』


私は光も闇も、どちらでも良かった。
どちらで生きようと私が求めるものは同じだった。

『よく聞いて。その子に闇で生きる才能はなかった。でも其処で生きていく方法を見つけた。貴方は、光で生きるべき存在。だってそれは、貴方自身が変わろうと強く望んだ事なんだから』



誰かが私を必要として、存在を望んでくれるのなら__________

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桜雪(プロフ) - りかまるさん» コメントありがとうございます。応援してくださる方がいて本当に感謝してもしきれません。拙い物語ですがこれからもよろしくお願いします、! (2019年4月13日 12時) (レス) id: c10e018f98 (このIDを非表示/違反報告)
桜雪(プロフ) - のら猫さん» 10分、、それはすごい、、!コメントありがとうございます!自分のペースで頑張ります! (2019年4月13日 12時) (レス) id: c10e018f98 (このIDを非表示/違反報告)
桜雪(プロフ) - びあんさん» コメントありがとうございます。やっぱり小説を書くのってとても労力のいることだと思います。びあん様も同じ作者の身として無理のない程度に頑張りましょう! (2019年4月13日 11時) (レス) id: c10e018f98 (このIDを非表示/違反報告)
桜雪(プロフ) - sonataさん» ありがとうございます。sonata様の作品とても素敵でした、、!大好きだなんて言葉を頂けてとても嬉しいです。お互い頑張りましょう! (2019年4月13日 11時) (レス) id: c10e018f98 (このIDを非表示/違反報告)
りかまる(プロフ) - ゆっくりでも大丈夫です。無理なく、執筆して頂けたらと思います。応援しています! (2019年3月24日 22時) (レス) id: dbac4f4de5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:桜雪 | 作成日時:2018年12月29日 21時

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