愛吐 5 ページ5
Aが顔を上げて樋口の方を見ると物凄く興味深々な顔をしていた為夢見心地に目を閉じて語り始める。
『それはもう、誰よりもご聡明で端整なお顔立ちをされていて甘党で…』
「自 殺癖があってよく女を泣かせて仕事と掃除を部下に押し付ける男でした」
『…否定はできません』
西野がぶった切ったところで樋口は盛大に顔をしかめた。
「えええAちゃん趣味悪くないですか?」
『…と、とにかく私の恋は終わったんです。それより、樋口ちゃんの恋路が聞きたいかな!』
Aはどうにかその話題から逃げたくて樋口の話題へと転換した。
「それは名案ですね。どうなんですか?芥川センパイとは」
Aからの視線を受けた樋口は西野に助けを求めようとしたがそれは失敗に終わった。何故なら西野もAと同じような目線を送ったからだ。
「其れが…」
樋口が二人の上司からの威圧に負けて意を決して話を始めたところでノック二回した後勝手に入ってきた男がいた。
「入るぞ」
樋口は突然のことに驚き口をパクパクと動かし西野とAは邪魔をするな、と云わんばかりに芥川の方を睨みつけた。
「…何だ」
芥川はよく理解ができず机に書類を置いた後早々に出て行った。樋口は椅子にへなへなと座り込み安堵の息を吐いた。
「…聞かれなくて良かったあ〜」
その樋口とは真逆に西野は力強い目で芥川が出て行った扉を睨んでから樋口に視線を戻した。
「いいえ。彼の何と鈍いこと。聞かせてやるくらいがちょうどいいわ」
そう思うでしょう?と西野に振られて取り敢えずAも便乗してそ、そうだー!と全く力のない掛け声をした。
「Aさんなんか、彼の気を引くために猛アプローチしてましたからね。仕事中にも!」
「え!Aちゃん奥手そうなのに!」
『西野さん、誤解を生む発言はお控えください』
これが四年経った日常である。
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桜雪(プロフ) - りかまるさん» コメントありがとうございます。応援してくださる方がいて本当に感謝してもしきれません。拙い物語ですがこれからもよろしくお願いします、! (2019年4月13日 12時) (レス) id: c10e018f98 (このIDを非表示/違反報告)
桜雪(プロフ) - のら猫さん» 10分、、それはすごい、、!コメントありがとうございます!自分のペースで頑張ります! (2019年4月13日 12時) (レス) id: c10e018f98 (このIDを非表示/違反報告)
桜雪(プロフ) - びあんさん» コメントありがとうございます。やっぱり小説を書くのってとても労力のいることだと思います。びあん様も同じ作者の身として無理のない程度に頑張りましょう! (2019年4月13日 11時) (レス) id: c10e018f98 (このIDを非表示/違反報告)
桜雪(プロフ) - sonataさん» ありがとうございます。sonata様の作品とても素敵でした、、!大好きだなんて言葉を頂けてとても嬉しいです。お互い頑張りましょう! (2019年4月13日 11時) (レス) id: c10e018f98 (このIDを非表示/違反報告)
りかまる(プロフ) - ゆっくりでも大丈夫です。無理なく、執筆して頂けたらと思います。応援しています! (2019年3月24日 22時) (レス) id: dbac4f4de5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:桜雪 | 作成日時:2018年12月29日 21時