愛吐 29 ページ38
三徹目の昼間。悍しい色の珈琲を口にしながらカタカタとパソコンを何台も動かす。
目の前に広がる文字量に目元が痛くなる。
私の異能力は、自分の思うままに変幻自在で印象操作が可能。自身の異能と太宰さんの知識を組み合わせて作ったこの世で最強のハッキングウイルスを使い組合の今後の戦況を掴む事を両組織から命じられた。
ようやく敵のコンピューターにアクセスしたが数が膨大すぎる。これが組合の作戦参謀の力だ。
しらみ潰しする余裕など勿論ない。
『何とか絞り出しても作戦の数は何万通りもあります』
【予測はしてたよ。私の見積もる百は超えそうだね。】
データを送信し、ヘッドフォン越しに太宰さんの指令に耳を傾ける。その声は嫌に冷静だった。
【…d-49635だ】
私は太宰さんの指示通りフォルダを開く。そこに書いてある悍しい作戦内容に目を見開く。
_____ヨコハマを、燃やすのですか___
【君にも連絡が来た通り、Qが座敷牢から解き放たれた。人形は今、組合の手の内にある】
『組合に勝つ為に、多くの人命を捨てると』
ポートマフィアを守る方法において、これが一番の最善策なら私は全うするまでだ。
なるほど。首領が私とQの接触を試みたのはQが私に依存するのではなく、私が感情移入することが目的か。
あの子の異能は強力だ。制御できるようになればいずれ組織に大きく貢献できるだろう。
____Qを一刻も早く救わなくては。
_______
「ふっふふー!」
燃えたヨコハマを見下ろす。操縦室からは何やら愉快な鼻歌が聞こえて来る。
彼の名はマーク・トウェイン。
異能力名、【ハック・フィン&トム・ソーヤ】
「トムが標的の座標を捕らえました」
「よくやったトム!それじゃハック、クールに示談装填!」
「砲口初速よし。母艦との相対速度修正よし」
「射ぇッ!」
彼の異能と思われる物体が大砲の角度調節などを行う。見事中島敦のパラシュートを打ち抜いた。
「ハックの砲弾がパラシュートをぶち抜いたぜ」
「タイガーボーイは?」
「衝撃波で気絶。こりゃ地面衝突で粉々コースだな」
もう一仕事行こう、と手を打つ前に私は彼の丁度背後に回る。
『させない』
「ッ!誰だお前は!いつからそこにいた!」
彼は驚き私と距離を取る。瞳には若干焦燥の色が現れていた。
『私はポートマフィア準幹部、櫻田A。離陸時からこの機体に潜入していました』
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桜雪(プロフ) - りかまるさん» コメントありがとうございます。応援してくださる方がいて本当に感謝してもしきれません。拙い物語ですがこれからもよろしくお願いします、! (2019年4月13日 12時) (レス) id: c10e018f98 (このIDを非表示/違反報告)
桜雪(プロフ) - のら猫さん» 10分、、それはすごい、、!コメントありがとうございます!自分のペースで頑張ります! (2019年4月13日 12時) (レス) id: c10e018f98 (このIDを非表示/違反報告)
桜雪(プロフ) - びあんさん» コメントありがとうございます。やっぱり小説を書くのってとても労力のいることだと思います。びあん様も同じ作者の身として無理のない程度に頑張りましょう! (2019年4月13日 11時) (レス) id: c10e018f98 (このIDを非表示/違反報告)
桜雪(プロフ) - sonataさん» ありがとうございます。sonata様の作品とても素敵でした、、!大好きだなんて言葉を頂けてとても嬉しいです。お互い頑張りましょう! (2019年4月13日 11時) (レス) id: c10e018f98 (このIDを非表示/違反報告)
りかまる(プロフ) - ゆっくりでも大丈夫です。無理なく、執筆して頂けたらと思います。応援しています! (2019年3月24日 22時) (レス) id: dbac4f4de5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:桜雪 | 作成日時:2018年12月29日 21時