愛吐 4 ページ4
会議室に集まったのは西野、A、樋口。一応この中で組織内地位が高いのはAの筈なのだが。
「で、Aちゃんの好きな人の話、さっさと聞かせてください!」
『だからいないって!』
昼休憩、普段は任務の作戦会議に使われている部屋にて女子会が開かれていた。
「嘘でしょう。貴方、一時期私に嫉妬していたのに」
呑気にカフェオレを飲む西野に意表をつかれたA。弁当箱を片付ける手を一旦止めた。勿論中身は自炊だ。
『そんなことは…』
ない、と云う言葉は喉元まで出かけて押し込んだ。強ち間違いではないからだ。樋口は目を輝かせ机を乗り出して西野に問う。
「で、お二人の関係はどうだったんですか?」
「さあ?私は知らないけどお互い好き合ってはいたでしょうね。お付き合いしていたと云う話は聞かなかったけど」
「おおお…!両片想いってやつですね…」
Aを中間に挟んで勝手に会話を進める西野と樋口。半分諦めかけたAはため息を吐き弁当箱をランチョンマットで包み結んだ。
其処で西野は思い出したかのように爆弾発言を投下した。
「あ、肉体関係持っていたと云う噂は知ってるけど」
『え、ちょ、』
「ええ!それってもしかしてセフ…」
『うわああああ何云ってるんですか!樋口ちゃんどこでそんな言葉を…!』
見た目は大人びたものの顔を真っ赤に染めて慌てる姿は四年前と何ら変わらない、と西野は密かに思った。
Aは呆れながら緩くなった緑茶の入った湯飲みに口をつけた。其処で今度は樋口が爆弾発言を落とした。
「ていうか、私てっきりAちゃんは中原さんだと思ってました」
『ぶっ』
その言葉に飲みかけていた緑茶を吹く。幸い溢れはしなかったが気管に入り込みごほごほと咳き込んだ。ようやく落ち着いたのちにAは急いで訂正する。
『だから、私は誰ともそう云う関係じゃないって!』
「それじゃあセ…」
『それも違う!』
熱の冷めない頬を両手で抑えるA。その姿を真顔で茶化す西野。
「じゃあ、その人がどんな人だったか聞きたいです!」
『えっ?』
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桜雪(プロフ) - りかまるさん» コメントありがとうございます。応援してくださる方がいて本当に感謝してもしきれません。拙い物語ですがこれからもよろしくお願いします、! (2019年4月13日 12時) (レス) id: c10e018f98 (このIDを非表示/違反報告)
桜雪(プロフ) - のら猫さん» 10分、、それはすごい、、!コメントありがとうございます!自分のペースで頑張ります! (2019年4月13日 12時) (レス) id: c10e018f98 (このIDを非表示/違反報告)
桜雪(プロフ) - びあんさん» コメントありがとうございます。やっぱり小説を書くのってとても労力のいることだと思います。びあん様も同じ作者の身として無理のない程度に頑張りましょう! (2019年4月13日 11時) (レス) id: c10e018f98 (このIDを非表示/違反報告)
桜雪(プロフ) - sonataさん» ありがとうございます。sonata様の作品とても素敵でした、、!大好きだなんて言葉を頂けてとても嬉しいです。お互い頑張りましょう! (2019年4月13日 11時) (レス) id: c10e018f98 (このIDを非表示/違反報告)
りかまる(プロフ) - ゆっくりでも大丈夫です。無理なく、執筆して頂けたらと思います。応援しています! (2019年3月24日 22時) (レス) id: dbac4f4de5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:桜雪 | 作成日時:2018年12月29日 21時