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一任 ページ46

日が沈んで、敵に見つかる事のないように慎重に進んだために帰るのが遅くなってしまった。


やっとの思いで陣のある場所へ戻ると、まだ傷もろくに癒えていないというのに洋装姿でいる土方さんと、その土方さんに鋭い視線を向ける一の姿があった。二人とも抜刀している。

一瞬だけ総司の様子をうかがったが、総司は落ち着いた表情でこの状況を見ていた。
・・・よかった、以前のように土方さんに掴みかかるような事はないようだ。

本当に大人になったな、とこの空気の中でいささか場違いな事を考えていると、平助と千鶴の必死さの滲む声が響いた。


「止めろよ二人とも!―――土方さんも、そんな体で前線指揮なんて無茶だって!一君もそこまでしなくてもさあ・・!」

「な、何やってるんですか!?土方さんも、斎藤さんも!」

「―――口を挟むな!!」


土方さんに怒鳴られて、千鶴は口をつぐんだ。

それが合図だったかのように二人はその場から駆け出し刀を交えるが、傷のせいか土方さんが若干劣勢に見える。

―――だとしても、羅刹である土方さんがここまで押されるとは。

それだけ土方さんが弱っているという事なのか、もしくは一が"なぜだか"羅刹と対等に戦えるくらい強いという事なのか。・・・まあ後者はまずないが。




一度、二度剣を交えた末に、体制を崩した土方さんの首もとに一の刀が突きつけられた事によって勝敗は決した。


「傷もまともに癒えきらぬ状態で渡り合えるほど、会津はたやすい戦場ではありません。・・・自ら激戦地に向かいたいという心境は、少なからず理解しているつもりです。―――わかるからこそ、行かせるわけにはいかない」

「・・・」

「戦いの最中に身をおいていればどんな苦痛も忘れられるかもしれない。しかし、忘れてもらっては困る。―――あなたは新選組を統べる人なのです。前線での戦いは俺たちに(ゆだ)ねてください」

「―――新選組を統べる者、か・・」


場の雰囲気が落ち着いてきたのを感じた。

平助も察したようで、さらに場の空気を和らげようといつも通りの明るく弾みのある声を発する。


「そうだよ、土方さんもう局長なんだからさ!――そこんとこちゃんと自覚してよ!」

「・・・わかった。斎藤、会津の前線指揮はお前に任せる。少なくとも俺の傷が癒えるまではな」

「ありがとうございます」

離隊→←誓い



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まんさ(プロフ) - justforyou7nanaさん» コメント、リクエストありがとうございます! 番外いいですね!作ってみたいと思います!(*'ω'*) さすがに18禁は制限がかかるので無理ですけどね笑 (2017年4月1日 10時) (レス) id: 9f423a56ec (このIDを非表示/違反報告)
justforyou7nana(プロフ) - この小説の番外編も見てみたいです!18 禁もみてみたいな笑 (2017年3月30日 8時) (レス) id: 4203d4d0a3 (このIDを非表示/違反報告)
まんさ(プロフ) - 弓 桜さん» ありがとうございます!嬉しいです! (2016年3月10日 21時) (レス) id: ab7e40fe20 (このIDを非表示/違反報告)
弓 桜(プロフ) - まんささん» 見に行きます♪ (2016年3月10日 20時) (レス) id: 484d75b51c (このIDを非表示/違反報告)
まんさ(プロフ) - 詩音舞さん» ありがとうございます! (2016年3月10日 19時) (レス) id: ab7e40fe20 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:まんさ | 作成日時:2015年8月4日 22時

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