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制札 ページ44

土方さんたちが日光で療養の間、私と総司は近くにあるいくつかの町へと情報を集めてくるように言われ、町人や商人に話を聞いてまわっていた。

皆口をそろえて「戦がこの町まで来ない事を願う」などしか言ってくれず、次の町へと移動を始めようとした時、事は起こった。


「大変だ!大変だー!」


町の通りを一人の青年が駆けながら、向こうの方にある制札を見ろと叫んで来たのだ。

一気に制札のある方向へと歩み始めた人々の流れに乗るのかどうか、隣にいた総司に問いかけようとした瞬間―――


「―――新選組の近藤が斬首されたらしいぞー!!」


―――時が、止まった気がした。

総司は、私の制止も聞かずにその場から制札の方へと、器用に人波をかわしながら走り出した。
私もそのあとを追うと、制札の周りに群がった人々の一番前まで来てしまう。

口を薄く開け、それに対して目を大きく見開いたまま動かない総司の視線の先には制札がある。


『元新選組近藤勇事大和 このもの凶悪にして
罪跡あまたこれあり。甲州勝沼、武州流山にて官軍に敵対した段は
大逆たるによって斬首の上梟首するものなり』


つまり『元新選組の近藤勇、この者は凶悪で多くの罪をおかした。甲府城、流山での新政府()軍への敵対は天皇への大逆であるため、斬首し晒し首にする』という事だ。

晒し首―――つまり、私たち旧幕府軍への見せしめ、警告、色々と意味はつかめるがそんな事よりも"私たちの大将が消えた"という事の方がずっと大きかった。

これは制札だ。斬首された事は紛れも無い事実なのだ。






多くの町人が制札の傍を離れる頃には時刻は夕刻になっていた。

近藤さんの死を告げる制札を見て、私の中でもかなり衝撃が大きいが、それよりも総司の事が気がかりでむしろ冷静になれた。

もう制札に群がる人などいやしないのに、総司はその場から動かない―――動けないでいる。


そろそろ陣へと戻り始めないと、日が沈んで危険だ。

そう思った私は、意識をこちらに向ける意図を持って力なく垂れ下がっている総司の手を軽く握り、拒絶されないのを見て強く握った。

誓い→←火の海



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まんさ(プロフ) - justforyou7nanaさん» コメント、リクエストありがとうございます! 番外いいですね!作ってみたいと思います!(*'ω'*) さすがに18禁は制限がかかるので無理ですけどね笑 (2017年4月1日 10時) (レス) id: 9f423a56ec (このIDを非表示/違反報告)
justforyou7nana(プロフ) - この小説の番外編も見てみたいです!18 禁もみてみたいな笑 (2017年3月30日 8時) (レス) id: 4203d4d0a3 (このIDを非表示/違反報告)
まんさ(プロフ) - 弓 桜さん» ありがとうございます!嬉しいです! (2016年3月10日 21時) (レス) id: ab7e40fe20 (このIDを非表示/違反報告)
弓 桜(プロフ) - まんささん» 見に行きます♪ (2016年3月10日 20時) (レス) id: 484d75b51c (このIDを非表示/違反報告)
まんさ(プロフ) - 詩音舞さん» ありがとうございます! (2016年3月10日 19時) (レス) id: ab7e40fe20 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:まんさ | 作成日時:2015年8月4日 22時

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