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銃弾の雨 ページ42

宇都宮城への攻撃が開始された。


前の話し合いの末、私たちには何の話も上がらなかった事から当然前軍に加わって参戦していたわけなのだが、ここで一つ心配事ができた。

私やおそらく土方さんは人間じゃないから銃の一発や二発受けても平気なのだが、総司は人間だ。
最前線で城攻めとなれば、雨あられと降り注ぐ銃弾の中を突っ切らなければならないのだから、当然負傷、最悪死ぬ可能性が高い。

・・・はたして、そんな中に彼をつれてくる事は正解だったのだろうか。




何とか城の中腹まで潜入したが、ここもここで敵だらけ。
これを突破し、敵の大将を倒せば私たちの勝ちとなる。


「A、総司とここで待機してろ」

「・・・わかりました。お気をつけて」

「ああ」


何人かの兵を引き連れて奥へと進む背中を見届けると、私は総司の方へ向き直り、懐から手ぬぐいを取り出した。


「総司、一応止血だけしておこうか」

「これくらい平気だけど・・・そうだね、お願い」

「うん。じゃあそこに座ってくれる?」


床板に(じか)に座った総司の左腕は、先ほどの混戦の中で銃弾をかすめたために彼自身の血によって赤く染まっている。

大騒ぎするほどではないにしろ、人間の彼には破傷風など気にするところが多い。早めに手当をしておくに越した事はないというものだ。


「あの状況でこんなものですんだんだから、僕は運が良かったね」

「まあ、そうだけど・・・」

「ちょっと怪我しただけでAが気にかけてくれるなら、逆に得した気分だよ」

「・・・最近あなたの愛情が歪んできた様に感じるよ」

「ええ?そうかなあ・・・」

「そうだよ」


こんな状況だというのに場違いにも笑い合っている私たちの鼻先を、突然焦げたような臭いがかすめた。それから連想されるのは・・・。


それを敏感に感じ取った私たちは、お互いに何も言わずに土方さんの元へと走った。

火の海→←歩兵奉行



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まんさ(プロフ) - justforyou7nanaさん» コメント、リクエストありがとうございます! 番外いいですね!作ってみたいと思います!(*'ω'*) さすがに18禁は制限がかかるので無理ですけどね笑 (2017年4月1日 10時) (レス) id: 9f423a56ec (このIDを非表示/違反報告)
justforyou7nana(プロフ) - この小説の番外編も見てみたいです!18 禁もみてみたいな笑 (2017年3月30日 8時) (レス) id: 4203d4d0a3 (このIDを非表示/違反報告)
まんさ(プロフ) - 弓 桜さん» ありがとうございます!嬉しいです! (2016年3月10日 21時) (レス) id: ab7e40fe20 (このIDを非表示/違反報告)
弓 桜(プロフ) - まんささん» 見に行きます♪ (2016年3月10日 20時) (レス) id: 484d75b51c (このIDを非表示/違反報告)
まんさ(プロフ) - 詩音舞さん» ありがとうございます! (2016年3月10日 19時) (レス) id: ab7e40fe20 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:まんさ | 作成日時:2015年8月4日 22時

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