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新婚 ページ36

触れている(うなじ)を通して、総司の体が強張っているのが伝わってくる。

ちょっと彼にとっては身長差的にきつい体制になってしまうな、と心の端の方で思いながらも、私は彼の頭を胸に(うず)めさせたまま(いた)わるように撫でた。


「・・・A?」

「情けない話だけど、最近の敗戦とかで総司との時間を過ごす余裕がなくて・・。
不安な気持ちにさせてたんだったら謝るよ。―――ごめんね」

「ううん、僕の方こそごめん。よりにもよってAの気持ちを疑うなんて、最低だ」


総司は私の腰に腕を回して強めに抱き返してきた。
祝言を挙げたばかりだというのに早速問題が起きた、と一緒に笑うと、どちらからともなく唇で想いを確かめ合う。

―――ああ、たしかに。
最後に口付けを交わしたのは祝言の時だ。愛のある新婚にしては少なかったもしれない。





その後も見回りを続けたが、特に成果を得ることなく屋敷へと帰ることになった。


土方さんの部屋で報告をすませると、私たちはそのまま部屋で休むように言われた。
・・・そう言った土方さんの顔には明らかな疲労が見えて、結局私たちも目がさえているからと仕事を手伝うことになった。





丑三つ時の鐘が、静かな夜に響いた。


「もうこんな時間か。・・・お前らもういいから休め、明日の仕事に支障をきたす」

「じゃあお言葉に甘えて、これが終わったら休みますよ。Aもそれでいいよね?」

「うん」



部屋に戻ると同時に、どっと疲れが出てきた。
それは総司も同じようで、疲れをにじませた顔で私の方を見て苦笑いを浮かべつつ、刀掛けに脇差を掛けて服を脱ぎ始める。

私もならって刀掛けに脇差を掛けると、上着を脱いでシャツを脱ぐ。
・・・一応言っておくが、お互い背中合わせで。

お互いに襦袢に着替えると、布団を二人分敷き枕元に刀を置いてそれぞれ入ると「おやすみ」の声かけをして寝についた。

ちょっと寂しいようにも見えるだろうが、私たちはいつ戦うかわからない。
そんな中疲れなど残しておいたら死の危険性が高まるだけ。寝られるうちに寝るべきなのだ。

添い寝→←不安と疑い



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まんさ(プロフ) - justforyou7nanaさん» コメント、リクエストありがとうございます! 番外いいですね!作ってみたいと思います!(*'ω'*) さすがに18禁は制限がかかるので無理ですけどね笑 (2017年4月1日 10時) (レス) id: 9f423a56ec (このIDを非表示/違反報告)
justforyou7nana(プロフ) - この小説の番外編も見てみたいです!18 禁もみてみたいな笑 (2017年3月30日 8時) (レス) id: 4203d4d0a3 (このIDを非表示/違反報告)
まんさ(プロフ) - 弓 桜さん» ありがとうございます!嬉しいです! (2016年3月10日 21時) (レス) id: ab7e40fe20 (このIDを非表示/違反報告)
弓 桜(プロフ) - まんささん» 見に行きます♪ (2016年3月10日 20時) (レス) id: 484d75b51c (このIDを非表示/違反報告)
まんさ(プロフ) - 詩音舞さん» ありがとうございます! (2016年3月10日 19時) (レス) id: ab7e40fe20 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:まんさ | 作成日時:2015年8月4日 22時

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