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意外な行動 ページ31

「薫、今度は一緒に生きよう?・・・もう薫が一人で背負わずにすむように、一緒に」

「千鶴、こんな俺でも許してくれるのか、お前の不幸を願った俺を?」

「当たり前だよ。だって、私たちは―――家族なんだから」


千鶴たちは、自力で和解をすることができたようだ。
それを見て、場の空気が緊迫したものから少し柔らかいものへと変わっていくのを感じた。


その空気をまた緊迫したものへと変えたのは、茂みを揺らして姿を現した千景だ。


「雪村の頭首よ。お前の兄の処分はどうするつもりだ」

「・・・風間さん」


特に敵意を向けてきてはいないとはいえ、この場に敵かもわからぬ強者が現れた。
・・・総司たちが緊張するのにはこれだけで十分だった。

だが、私たち鬼の一族の間の空気は落ち着いたもので、千鶴は一歩前に出ると凛とした声音で西の鬼の頭首へと返答をした。


「これまで薫がしてきた事は、けっして許せるものではない事はわかっています。
・・・だから、私たちは戦の終わり次第、償いをしようと思います」

「どのように償うつもりだ」

「それは・・・」

「風間、お前は俺を殺しに来たんだろう?・・・さっさと殺せ」


薫の言葉に、千景は言葉の真意を問うように視線を向けた。
否定をせずに視線を向けるということは、つまりは事実ということだろうか。

千景の視線を真っ直ぐに受け止め、薫は「鬼の道を踏み外した俺が生きる事を、他の鬼は許さないんだろ?」と儚く笑った。


「最後に、最期に千鶴と兄弟として話しができただけで十分だ」

「・・・」

「待ってください、風間さん!薫はもう人間への復讐なんて―――」


千鶴の制止も聞かず、千景は薫へと抜き打ちし・・・バサリと音がした。


地に落ちたのは首ではなく薫の羽織っていた外套(がいとう)だ。

その場にいた全員が、意外な行動をとった千景に視線を送るが、向けられている当の本人は涼しい顔でそれを受け流した。

そして刀を鞘に納めて背を向け


「鬼の道を踏み外した南雲薫というはぐれ鬼は斬った。・・雪村千鶴、綱道の野心は折れることはない。奴を殺さずに事はすまないだろう。―――いいな」

「・・はい。でも少しだけ、父と話をさせていただけませんか?」


千景は振り返ることなく「好きにしろ」と呟いて木々の中へと消えて行った。

祝言の用意→←仲直り



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まんさ(プロフ) - justforyou7nanaさん» コメント、リクエストありがとうございます! 番外いいですね!作ってみたいと思います!(*'ω'*) さすがに18禁は制限がかかるので無理ですけどね笑 (2017年4月1日 10時) (レス) id: 9f423a56ec (このIDを非表示/違反報告)
justforyou7nana(プロフ) - この小説の番外編も見てみたいです!18 禁もみてみたいな笑 (2017年3月30日 8時) (レス) id: 4203d4d0a3 (このIDを非表示/違反報告)
まんさ(プロフ) - 弓 桜さん» ありがとうございます!嬉しいです! (2016年3月10日 21時) (レス) id: ab7e40fe20 (このIDを非表示/違反報告)
弓 桜(プロフ) - まんささん» 見に行きます♪ (2016年3月10日 20時) (レス) id: 484d75b51c (このIDを非表示/違反報告)
まんさ(プロフ) - 詩音舞さん» ありがとうございます! (2016年3月10日 19時) (レス) id: ab7e40fe20 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:まんさ | 作成日時:2015年8月4日 22時

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