追手 ページ27
伝令からの情報を整理しつつ経路を定めていると、総司が「撤退するって」と近藤さんの命を伝えに来てくれた。
「A、僕はどう動けばいい?」
「・・・近藤さんと共に撤退してもらった方がいいかもね」
「Aも一緒に行くよね?」
「陣に残る。そうした方が撤退の時をいくらか稼げるし、それに、左之たちと一緒に行動するから心配は要らないよ」
「・・・それでも心配」
机上に地図の錘(おもり)として置いていた両手に、彼は背後からをそっと手を乗せた。
そしてそのまま滑るように手を動かして私の体を抱くと、耳元に生暖かい吐息がかかった。
「絶対に死なないでね」
「そっちこそ、生きて近藤さんと千鶴を守りきってよ」
「・・・もちろん、言われるまでもないさ」
そう言って離れた体温を名残惜しくも思ったが、今は一刻を争う時なのだ。感傷に浸っている場合なんかじゃない。
陣を出ようとするその背中に、振り返りもせずに「撤退があらかたすんだら追いかける」と告げると、彼はそのまま何も言わずに陣を出て行った。
振り返らなかったから、彼が何か反応を起こしていたのかはわからない。
近藤さんが陣を離れてから四半刻が経過した。
私たちは、途中敵として出会った不知火さんと共に現在は羅刹と戦っていた。
「斬っても斬っても減らないな・・」
「昼間も動ける羅刹・・・A!近藤さんたちが心配だ、お前は近藤さんたちを追え!」
「でも私が抜けたら辛いんじゃない?」
「馬鹿言え、ここは俺と不知火だけで十分だ」
「・・・そう。じゃあ二人とも気をつけて!」
「気をつけろって・・・前に脇差投げてきたとは思えねえ台詞だな」
不知火さんの何かを呟く声が聞こえた気がしたが、私は敵の包囲を潜り抜けて近くの山へと入って行った。・・・現在近藤さんたちがいるであろう場所へ行くには、この道のない道を進むのが一番近道なのだ。
何人か追手が来ていたが、今は特に気にせずにただ真っ直ぐ走ることに集中した。
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まんさ(プロフ) - justforyou7nanaさん» コメント、リクエストありがとうございます! 番外いいですね!作ってみたいと思います!(*'ω'*) さすがに18禁は制限がかかるので無理ですけどね笑 (2017年4月1日 10時) (レス) id: 9f423a56ec (このIDを非表示/違反報告)
justforyou7nana(プロフ) - この小説の番外編も見てみたいです!18 禁もみてみたいな笑 (2017年3月30日 8時) (レス) id: 4203d4d0a3 (このIDを非表示/違反報告)
まんさ(プロフ) - 弓 桜さん» ありがとうございます!嬉しいです! (2016年3月10日 21時) (レス) id: ab7e40fe20 (このIDを非表示/違反報告)
弓 桜(プロフ) - まんささん» 見に行きます♪ (2016年3月10日 20時) (レス) id: 484d75b51c (このIDを非表示/違反報告)
まんさ(プロフ) - 詩音舞さん» ありがとうございます! (2016年3月10日 19時) (レス) id: ab7e40fe20 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まんさ | 作成日時:2015年8月4日 22時