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裏切りには裏切りを ページ3

夕刻ごろから近藤さんと土方さんと会う約束をしていた伊東さんを護衛するため、私も共に会場として用意された屋敷へ来ていた。

一を通して、この二人には私が伊東さんと共に来る事は伝えてあったために特に驚いた様子もなく、話し合いは開始された。


―――内容は長州の動向調査の依頼だ。

新選組が身軽に動ける御陵衛士に活動資金として三百両を渡す代わりに、長州の動向調査を頼む。
結成されてそう時間が経っていなく、活動資金に悩む御陵衛士としては願ってもない事だし、お互いに利害が一致している事だ。


・・・でも、御陵衛士はその資金を長州の動向調査の資金として使うわけではない。
新選組崩壊のための活動資金として利用するつもりだ。


そのことが新選組に漏れているとはつゆ知らず、伊東さんは上機嫌に近藤さんと酒を酌み交わして、最後の晩酌を楽しんだ。

私は護衛役だから、と一杯程度ですませてただひたすら帰りの時を待った。



帰り際、酔った様な若干おぼつかない足取りでふらふらと玄関口へと向かった伊東さんを追おうとした私に、土方さんが風呂敷包みを渡した。



その中身を確認すると、私は伊東さんを連れて帰路の油小路の方角へと向かう。

いつも通りに伊東さんと歩く私。ただ少しいつもと違うのは、私の左手にある風呂敷包みのたしかな重さと温かさだ。


ある地点へ着くと、懐かしい顔ぶれと浅葱色が日々研ぎ続けている牙を向けて私たちを囲んだ。

伊東さんは持っていた提灯を地面に落とし、刀を構えて戦闘体制に入ったのを見て、私も静かに刀を抜く。

見知った顔ぶれの表情が強張ったのがわかる。
・・・そりゃそうか、私は総司と並ぶ剣の使い手。自分で言うのもなんだけど強い。


「A・・」

「新八と左之の隊か。なかなか本気な人員だね―――そんないるかな?」

「天野さん、あの手薄な箇所から逃げるしかありませんわね」


伊東さんが私に背を預けているのを背中越しに確認すると、私は体を反転させてその背を袈裟に深々と斬った。


「え・・?」

「ごめんなさい、伊東さん。・・・私は新選組の監察方だから」


自分の身に起こった事が理解できない、といった表情でそのまま事切れた伊東さんと私を見てその場の新選組隊士たちは唖然としていた。

新八を筆頭に目玉がこぼれそうなほど目を見開いている隊士たちの中で、状況が飲み込めたのか左之が詰めていた息と共にため息を吐いた。


「ほんと、近藤さんも土方さんも人が悪いぜ・・・」

第六感→←出鱈目



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まんさ(プロフ) - justforyou7nanaさん» コメント、リクエストありがとうございます! 番外いいですね!作ってみたいと思います!(*'ω'*) さすがに18禁は制限がかかるので無理ですけどね笑 (2017年4月1日 10時) (レス) id: 9f423a56ec (このIDを非表示/違反報告)
justforyou7nana(プロフ) - この小説の番外編も見てみたいです!18 禁もみてみたいな笑 (2017年3月30日 8時) (レス) id: 4203d4d0a3 (このIDを非表示/違反報告)
まんさ(プロフ) - 弓 桜さん» ありがとうございます!嬉しいです! (2016年3月10日 21時) (レス) id: ab7e40fe20 (このIDを非表示/違反報告)
弓 桜(プロフ) - まんささん» 見に行きます♪ (2016年3月10日 20時) (レス) id: 484d75b51c (このIDを非表示/違反報告)
まんさ(プロフ) - 詩音舞さん» ありがとうございます! (2016年3月10日 19時) (レス) id: ab7e40fe20 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:まんさ | 作成日時:2015年8月4日 22時

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