押し寄せる不安 ページ14
年も明けて慶応四年一月三日。
夕刻、大坂城には鳥羽・伏見において戦が始まったとの伝令が入った。
・・・そして、敵は錦の御旗を掲げているという事も。
この知らせを受けて薩長に寝返る者も出てくることを考慮して、私と総司は近藤さんの近くで護衛をすることにした。
「相手は官軍、我々は賊軍という事か・・・!」
「近藤さん・・」
「近藤さん、今は堪えて療養に専念しましょう。ここには上様もいますし、打開する機会はきっと現れます」
「ああ、そうだな・・」
先日から起き上がれるようになった近藤さんは、今回の知らせを一番悔しがっていた。
私たちは彼にかける言葉なんて持ち合わせていなくて、退却してくるだろう土方さんたちを待ち続けることしかできなかった。
近藤さんに「一人にして欲しい」と頼まれ、私と総司はすぐに駆けつけることができるように隣の空き部屋へと移動した。
「・・近藤さん、かなり悔しそうだった」
「今私たちにできる事はないってわかっているからこそ、余計に悔しいんだろうね」
「土方さんたちは今どうしてるかわからないの?」
「新選組は撤退の準備のために淀城(よどじょう)に援軍を呼びに行ったらしいんだけど、拒絶されたって聞いたよ。・・・そこからの消息は入ってきてないんだ」
「そう、ありがとう。・・・土方さんの事だから、地下(あの世のこと)に行っても閻魔様をねじ伏せて戻って来そうだし、心配は要らないだろうけどね」
「ふふっ、たしかにそうだね」
冗談でも言っていないと、不安に押しつぶされそうだった。
もし、新選組が全滅していたら。今この場で兵士たちが敵に寝返って襲ってきたら、近藤さんを守りきれるのか。抱える不安はたくさんあった。
だがその三日後、私たちの心配を他所に上様が会津公を連れて兵士、食料弾薬全てを持って江戸へと発ってしまった。
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まんさ(プロフ) - justforyou7nanaさん» コメント、リクエストありがとうございます! 番外いいですね!作ってみたいと思います!(*'ω'*) さすがに18禁は制限がかかるので無理ですけどね笑 (2017年4月1日 10時) (レス) id: 9f423a56ec (このIDを非表示/違反報告)
justforyou7nana(プロフ) - この小説の番外編も見てみたいです!18 禁もみてみたいな笑 (2017年3月30日 8時) (レス) id: 4203d4d0a3 (このIDを非表示/違反報告)
まんさ(プロフ) - 弓 桜さん» ありがとうございます!嬉しいです! (2016年3月10日 21時) (レス) id: ab7e40fe20 (このIDを非表示/違反報告)
弓 桜(プロフ) - まんささん» 見に行きます♪ (2016年3月10日 20時) (レス) id: 484d75b51c (このIDを非表示/違反報告)
まんさ(プロフ) - 詩音舞さん» ありがとうございます! (2016年3月10日 19時) (レス) id: ab7e40fe20 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まんさ | 作成日時:2015年8月4日 22時