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興行 ページ48

それから数日後。

今まで皆で準備を進めていた京都相撲と大坂相撲の合併興行が始まった。

仕切りや裏の仕事は全て浪士組の仕事で、基本は必需品運び、
残りは警備と、負傷した場合の治療要員に分かれた。

総司や幹部たちは一人ひとり強いことから警備にまわり
外枠の方で相撲を見ているらしい。

私は言うまでもなく治療組。
他には山崎君と手先の器用な者たちが集まっている。

相撲では打撲の怪我が多いが、たまに土俵で派手に転び
すり傷とやけどを同時に負う人もいた。
・・・つまりは忙しいのだ。

でもこの興行できっと浪士組には多くの収入が入り、
そして京都相撲と大坂相撲の不仲を知る者は
それを実現させた浪士組の手腕に称賛してくれることだろう。

―――もしかしたら、京の人たちの浪士組に対する
軽蔑、白い目で見られることもなくなるかもしれない。






夕刻ごろになれば相撲も終わるわけで、
あんなに忙しかったのに女である私の仕事も終わり、
今は屯所に戻って勝手場で夕餉の準備をしていた。


「ごめんなさい源さん。そっちも忙しかったはずなのに
手伝ってもらっちゃって・・・」

「いいんだよ。今回は隊士全員分の食事の用意をしなければ
ならないんだから、一人じゃとてもできんだろう」

「まあ・・・いつもは皆それぞれで作ってるから
こんな大人数なんて作ることないしね」


大きな釜もないし、何度かに分けて作るしかない。

だから源さんと二人で作ったものはすぐに運び、
手が空いている隊士に食べさせている。

そして何周か終えて、残りはおそらく幹部の分だけになった頃。

茶碗を洗うことを頼んだ源さんが勝手場にやって来て
息を切らしている様に見えるほど焦った様子で言った。


「A、食事の準備は後にして出動の準備だ!
歳さんが呼んでいる!」

「わ、わかりました!」


刀を持って門へ行くと、浪士組の隊士のほとんどが集まり
出発するところだった。

何があったのかは皆知らないらしいが、ここまでの人を
集めて出動することだ・・・まずい事が起きたんだろう。




少し不安に思いつつも、夜になり行く京の街を
皆と共に駆け続けた。


その先に待っていた人物に、皆驚いたことだろう。

その人物は―――。


「―――芹沢、さん?」








火に照らされたその人の名を、誰かがつぶやく声が聞こえた。

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薄夜 - うん。面白いね。再新、頑張って (2014年10月10日 19時) (レス) id: 3978161a67 (このIDを非表示/違反報告)
クルエル(プロフ) - 続編おめでとうございます!これからも更新頑張ってください♪(*^_^*) (2014年10月5日 23時) (携帯から) (レス) id: 3cb9714877 (このIDを非表示/違反報告)
まんさ(プロフ) - 練蓮さん» ありがとうございます(*^-^*)精一杯頑張らせていただきます! (2014年10月5日 22時) (レス) id: 2db9cb813e (このIDを非表示/違反報告)
練蓮(プロフ) - 続編おめでとうございます!更新楽しみに待ってます(*^◯^*)頑張って下さい!!! (2014年10月5日 17時) (レス) id: ddc6e25d6f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:まんさ | 作成日時:2014年10月5日 14時

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