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血の匂い ページ45

一気に間合いに踏み込み、剣を薙ぐが
羅刹となり、身体能力が上がった佐伯はすんでの所で
かわし、すれ違いさまに総司の胴元を斬ろうとする。

・・・が、総司はいとも簡単に刀の鎬(しのぎ)で
受け止め、佐伯の肩を袈裟に斬った。


途中、なにか挑発めいた事を言っていたような気がしたが、
剣と剣が交わる音でよく聞こえない。


斬られた肩は、流石というか、瞬く間に傷が消えた。

総司の強さを痛感したのか、佐伯は後ずさりし距離をとろうとするが・・。


「――逃がさないよ」


空いた距離を一気に詰め、構えを突きの形に変えると、
総司はほんの瞬きの間だけ、止まる。

―――だがそれもほんの一刹那。

軽く息を吸い込んだと思うと、人間業とは思えない
刺撃が総司の手から繰り出される。

一撃入れ、一気に引き抜くとさらに三撃、
心臓に刺突が繰り出された。



完全に相手を殺すための殺人剣。
それを繰り出した総司は、佐伯の絶命を確かめてから
刀を振って血糊を払い落とし、静かに刀を納めた。

そして―――


「・・・そこにいるんでしょう?Aさん」

「―――よく、わかったね」


―――正直驚きだ。
私がいることに気づかれるのは初めてだし。

陰から顔を出すと、返り血を浴びた総司がたたずみ
私を見ていた。


「・・・匂いがしたんですよ」

「あれ?張り込みとかの時の為に香り袋なんて
持ってないはずだけど・・・」

「ふふふっ、違いますよ、この羅刹以上に血の匂いがしたんです」

「うわー・・・それ、女に言う台詞じゃないよ」

「そうですね・・・ふふふっ」

「ふふっもう、笑い過ぎだって」






それから皆が駆けつけるまで、私と総司は笑っていたのだった。

―――きっと、はたから見ればおぞましい光景だったことだろう。
若い男女が死体の傍で笑い合っているのだから・・・。

浪士組の剣→←匂い



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薄夜 - うん。面白いね。再新、頑張って (2014年10月10日 19時) (レス) id: 3978161a67 (このIDを非表示/違反報告)
クルエル(プロフ) - 続編おめでとうございます!これからも更新頑張ってください♪(*^_^*) (2014年10月5日 23時) (携帯から) (レス) id: 3cb9714877 (このIDを非表示/違反報告)
まんさ(プロフ) - 練蓮さん» ありがとうございます(*^-^*)精一杯頑張らせていただきます! (2014年10月5日 22時) (レス) id: 2db9cb813e (このIDを非表示/違反報告)
練蓮(プロフ) - 続編おめでとうございます!更新楽しみに待ってます(*^◯^*)頑張って下さい!!! (2014年10月5日 17時) (レス) id: ddc6e25d6f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:まんさ | 作成日時:2014年10月5日 14時

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