【薄桜鬼】沖田総司とは私の弟分です！ 弐

非番の過ごし方 ページ37

今日一日は屯所でのんびりしている予定だ。
・・・勇坊に算盤(そろばん)を教えてやるのもいいかな。

朝餉の最中に考え事をしていると、隣にいた総司に
話しかけられていたことに気づかず肩を軽くたたかれた。


「Aさん、Aさんってば！」

「わっ、どうしたの？」

「それはこっちの台詞ですよ・・・。
今日は僕も午前に稽古つけたら暇ですし、一緒に街を散歩しませんか？
―――って言ったんです」

「あー・・・ごめん、聞いてなくて」

「・・・最近考え事してますよね、Aさん」

「―――そうだね」


今の不安定な浪士組の立場の事、芹沢さんと私たちの間の溝、
新見さんの身勝手な研究、総司の事―――。

数え切れないほど悩みはあるものだ。

総司にとっては余計なお世話なのかもしれないけれど、
私はなによりも総司の事が心配だな。

・・・だから、このお誘いはのることにしましょう。


「総司、散歩はいつからする？」

「あれ、いいんですか？―――断られると思ってたんですけど」

「たまにはのーんびり、お話でもしたいしね」

「よかった！じゃあ―――稽古が終わったら迎えに行きますよ。
屯所にいてくれれば大丈夫です」

「なら、自分の部屋にいるよ」

「わかりました」


お互いに約束をすると、ちょうど朝餉も終わったことだし
二人で膳を片付けた。

・・・今更だけど、広間にいたはずの他の者たちは
さっさと食べ終えてどこかへ行ってしまっていたようだ。



私は長い間考え事をしていた事実に一人、苦笑をもらした。

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