検索窓
今日:8 hit、昨日:0 hit、合計:73,643 hit

目を見ろ ページ25

木刀をあわせてから結構な時が経つが、私たちは未だに微動だにしない。


―――そして、風が吹く。
その風は木々の葉を舞い上がらせ、私たちに降りかかる。

舞い上がった葉が落ち、あたりに静寂が訪れるかと思いきや一枚の葉が遅れて私たちの間に入り、やがて地面に着地する。


―――途端。


決めたわけではないけれど、私も総司も葉が落ちると同時に地を蹴り、距離をとる。

私と総司の交差する視線は、一方は獣のような静かな殺意の色を、もう一方は迷いの色を帯びている。



しばらくその場にとどまって相手の隙をうかがう私たちの間にまたもや風が吹き、葉が舞い上がる。


―――視界の障害となる葉たちが全て落ちきる頃には、勝負がついていた。


「勝負ありだよ、総司」

「・・・」


あっけなかった。

この前のように苦戦することもなく、いとも簡単に一本をとることができてしまった。

とられた本人も、何も言わずに目を見開いている。


「・・・どうして」

「どうしてもなにも、あんたの目には闘志を感じられなかった。
それが原因じゃない・・・?」


そして総司の傍まで行くと両頬を包むように押さえてこちらを向かせる。

自然と私たちの目も合うが、総司の目はさっきと変わらず迷いの色に支配されているせいで、私と目が合っていても私を見ていない。


「私をしっかり見て」

「え、でも・・・」

「ちゃんと、悩みとかじゃなくて目の前にいる私を見て」


目を見て、総司の意識が私に向けられたことを感じると、頬から手を離して笑いかけた。


「そう・・・剣術をするのに相手を見ないなんてありえないよ」

「―――あ」

「それがわかったなら、素振りしろ素振り!私から一本取るんでしょ!」


そして木刀を持ったまま背を向けてその場を後にしようとした。

だが「Aさん!」と響いた声に止められて、声の主である総司を振り返ると、彼はただ「ありがとうございます」とだけ言って素振りを始めたのだった。


私の言葉は彼の悩みの解決策になんて、なるわけがないけどもしなにかhint(ヒント)になったのなら、うれしいな。



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
言い忘れていましたが、主人公さんは
英語しゃべれます。10年以上外国いたので。

勝手な行動→←剣の振り方



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (64 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
128人がお気に入り
設定タグ:薄桜鬼 , 沖田総司
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

薄夜 - うん。面白いね。再新、頑張って (2014年10月10日 19時) (レス) id: 3978161a67 (このIDを非表示/違反報告)
クルエル(プロフ) - 続編おめでとうございます!これからも更新頑張ってください♪(*^_^*) (2014年10月5日 23時) (携帯から) (レス) id: 3cb9714877 (このIDを非表示/違反報告)
まんさ(プロフ) - 練蓮さん» ありがとうございます(*^-^*)精一杯頑張らせていただきます! (2014年10月5日 22時) (レス) id: 2db9cb813e (このIDを非表示/違反報告)
練蓮(プロフ) - 続編おめでとうございます!更新楽しみに待ってます(*^◯^*)頑張って下さい!!! (2014年10月5日 17時) (レス) id: ddc6e25d6f (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:まんさ | 作成日時:2014年10月5日 14時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。