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化け物 ページ47

「うぐっ、ぐ、ぐぁああああああ―――――!!」


断末魔のような悲鳴が前川邸から聞こえてきた。
声を悲鳴と認識した途端に、皆は顔を引き締め、各々の得物を取る。


「源さん、ここは頼んだぜ。俺たちは向こうの様子を見に行ってくるから」

「ああ・・・くれぐれも、気をつけて」


左之が源さんにこの場を託すと、新八、平助と共にかけていく。
私もそれに続こうとすると


「Aさんもここにいてください。源さん一人じゃさすがに手薄ですし」

「でも・・・」


私が食い下がろうとすると、彼は安心させるためにか穏やかに笑い「僕たち全員を相手にして生き残れる人なんて、この世にいませんよ。・・・それこそ、鬼か化け物でもない限りね」と言った。

・・・その言葉はまったく安心できなかったけど、いつもの総司らしいなと思って逆に安心できたかもしれない。


「気をつけて!」

「わかってます!」


総司の背中を見送って、私は私にできる事をすることにした。
隊士に「部屋から出るな」と言って周ること。






あらかた周り終えたが、前川邸の方での争いの音は止まらない。
できるだけ急ぐために、駆け足で広間の方へ戻っていると、龍之介が庭に出ていた。


「龍之介?・・・なにやってるんだろう?」


よく見ると、龍之介の体は強張っていて、その視線の先には白髪で赤い目を持った血まみれの人の形をした者が立っていた。

あれは―――エリクサーによって生まれる化け物っ!?

間違いない、あいつの服には斬られた後もあるが、傷はない。
直ったんだ・・・あの治癒能力で。

そいつは持っていた刀で龍之介を斬ろうとするが、すぐに駆けつけた
私がその刀を受け止める。


「っA!!?」


こいつは腕力が強いし傷もすぐに塞がるが、それだけだ。
首をはねるか心臓を突けば死ぬ。

なんにせよ、本物の鬼に敵うわけがないんだ。

そのまま刀を弾いて平晴眼の構えをとり―――やつの心臓を突いた。


心臓の鼓動が弱まっていくのが刀越しに伝わってくる。
今までに何度も人の命を奪ってきたせいか、特に罪悪感というものはない。

赤黒い血を吐きながら、やつはゆっくりと倒れていく。
その動きに合わせるように刀を引き抜くと、懐紙で刀を拭い鞘に納めた。



その一連の動作を終えた頃に、皆がやってきた。

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まんさ(プロフ) - MMさん» 面白いなんて、とても嬉しいです! (2016年3月10日 21時) (レス) id: ab7e40fe20 (このIDを非表示/違反報告)
MM(プロフ) - どっちも面白すぎて、ヤバイです(^O^) (2016年3月6日 23時) (レス) id: db2d6bf4c4 (このIDを非表示/違反報告)
まんさ(プロフ) - MMさん» こちらも見に来ていただけるとは!ありがとうございます! (2016年3月6日 23時) (レス) id: ab7e40fe20 (このIDを非表示/違反報告)
MM(プロフ) - 沖田かっこいい(#^.^#)小説めっちゃ面白い! (2016年3月6日 23時) (レス) id: db2d6bf4c4 (このIDを非表示/違反報告)
まんさ(プロフ) - はるかさん» ご指摘ありがとうございます!本編では"総司"のままだった気がしたのでそのままにしたのですが・・・。一応直しておきます!これからもこの小説を温かい目で読んでやってください(´ω`) (2015年3月25日 7時) (レス) id: 647a4018e9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:まんさ | 作成日時:2014年8月14日 22時

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