人員不足 ページ46
五月も半ばに入り、暑さに拍車がかかってきた頃。
夕刻あたりから試衛館時代の仲間や私、龍之介は広間に集められて待機をさせられていた。
かなり暑い中、理由も知らされずに待たされているせいか皆苛立ちを隠せないでいた。
「・・・土方さんたち、いったいなんの話をしてんだろうな？人材不足を解決する方法があるって言ってたけど、なんで医者が来たんだ？
普通は会津藩とかが人員を派遣してくれるもんじゃねーの？」
「向こうは、給金すらまともに払おうとしてねえ見てえだし、それにAがいるってのに医者を連れてくるなんて・・・きなくせえよな」
「勇さんたちがいるから、取り返しのつかない事態にはならないとは思うが・・・」
平助の疑問に対し、「きなくさい」と言う新八。
二人を落ち着かせるように諭すがが自身も不安なのか、源さんはしきりに前川邸の方に視線を向けている。
その後も皆は口々に疑問を語っていたが、私の耳にその言葉は入ってこなかった。
なぜなら、私は人員不足の解決方法になんとなく察しがついたから。
そして―――それはとんでもない方法だから。
私が行った国には、最新の医術と共になぞの多い"ある薬"の
研究がすすめられていた。
薬の名は"エリクサー"。
人を鬼に変える激薬。あの薬を人間に合う様に改良できれば、たしかに人員に困ることはないだろう。
だけどあの薬には副作用が・・・
「Aさん？・・・顔色が真っ青ですけど、大丈夫ですか？
気分が悪いなら――」
「エリクサー・・・」
「・・・えり、くさー？」
「あっ、な、なんでもない！忘れて・・・」
総司たちがいる事を忘れてあの薬の名を出してしまった。
幸い、総司以外は聞いて無かったようで安心した。
総司は訝しげな顔をしていたが、詮索はせず「なにかあったら言ってください」と言って私に膝枕を・・・ん？
「・・・総司、この膝枕はなに？」
「顔色悪いですし、少し寝てたほうがいいと思って」
「・・・」
なんか反論するのも面倒になって、頭を撫でられたりと彼にされるがままになっていたら。
「うぐっ、ぐ、ぐぁああああああ―――――！！」
前川邸から断末魔のような悲鳴が聞こえてきたのだった。
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まんさ(プロフ) - MMさん» 面白いなんて、とても嬉しいです！ (2016年3月10日 21時) (
レス) id: ab7e40fe20 (このIDを非表示/違反報告)
MM(プロフ) - どっちも面白すぎて、ヤバイです(^O^) (2016年3月6日 23時) (レス) id: db2d6bf4c4 (このIDを非表示/違反報告)
まんさ(プロフ) - MMさん» こちらも見に来ていただけるとは！ありがとうございます！ (2016年3月6日 23時) (レス) id: ab7e40fe20 (このIDを非表示/違反報告)
MM(プロフ) - 沖田かっこいい(#^.^#)小説めっちゃ面白い！ (2016年3月6日 23時) (レス) id: db2d6bf4c4 (このIDを非表示/違反報告)
まんさ(プロフ) - はるかさん» ご指摘ありがとうございます！本編では"総司"のままだった気がしたのでそのままにしたのですが・・・。一応直しておきます！これからもこの小説を温かい目で読んでやってください(´ω｀) (2015年3月25日 7時) (レス) id: 647a4018e9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まんさ | 作成日時：2014年8月14日 22時
