浪士組の今後 ページ45
「ほら、Aも着てみなさい」
「ありがとうございます」
源さんから隊服を受け取り、反応の声が聞こえてこない土方さんたちのところへ行ってみた。
土方さん、総司、一は皆硬い表情で羽織を見つめいていた。
そのまま三人に近づくと、総司から質問を受けた。
「あ・・・Aさん、この羽織、どう思います？」
「え、うーん・・・目立つ、かな？」
悩んだ末答えると、一が会話に参加してきて
「・・・同感だ。あれでは不逞浪士に居場所を見つけられてしまう。
それに、返り血を浴びたときに洗いに出すのも手間と金がかかる」
「なるほどね、一君が黒しか着ないのは返り血を目立たなくするため？
・・・用意周到だね」
総司が揶揄(やゆ)するように言っても、慣れているのか「さあな」の一言で受け流す。
一の返事に反応を示すわけでも無く、総司は芹沢さんの方へ視線を向けると「なんにせよ、仕事の邪魔になるようなものは要らないよね」と言った。
彼は"近藤さんが納得しているから"、着るらしい。
私はそういうつもりで言ったわけじゃないんだけど・・・
「目立つっていうのも、私たちの存在が広まるとしたらいいんじゃない？
それに、乱闘になった時に同士討ちを防げるし」
「・・・たしかに、その面で見ればこの隊服もよいのかもしれんな」
「うーん・・・Aさんがそう言うのならそうなのかな？」
二人ともとりあえず隊服に対する不服は治まったみたいだし、よかったよかった・・・。
その後土方さんの指示で、皆は巡察に出かけていった。
私はその場に残って、早々に土方さんに今日集めた情報について報告をする。
・・・結局、隊服着れてないな。
その後退室しようとしたが、局長たちの会話が気になったから
その場に残ることにした。
上覧試合から、浪士組は色々と仕事を任されるようになってきたが、そのせいで人手が足りないらしく、人を集めたいそうだ。
でも、給金が出ていないのにむやみに人を集められない。
・・・その事を芹沢さんに相談したいらしい。
だが、芹沢さんは大坂出張の時のように資金を調達して渡せばいいいと言った。
「そんな事できるわけがない」といった風に反論する土方さんだが、
芹沢さんはそのまま涼しい顔で島原へと出かけて行ってしまう。
土方さんは悔しそうな顔でこぶしを硬く握り締め、立ち尽くしていた。
―――浪士組は、これからどうなっていくんだろうか。
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まんさ(プロフ) - MMさん» 面白いなんて、とても嬉しいです！ (2016年3月10日 21時) (
レス) id: ab7e40fe20 (このIDを非表示/違反報告)
MM(プロフ) - どっちも面白すぎて、ヤバイです(^O^) (2016年3月6日 23時) (レス) id: db2d6bf4c4 (このIDを非表示/違反報告)
まんさ(プロフ) - MMさん» こちらも見に来ていただけるとは！ありがとうございます！ (2016年3月6日 23時) (レス) id: ab7e40fe20 (このIDを非表示/違反報告)
MM(プロフ) - 沖田かっこいい(#^.^#)小説めっちゃ面白い！ (2016年3月6日 23時) (レス) id: db2d6bf4c4 (このIDを非表示/違反報告)
まんさ(プロフ) - はるかさん» ご指摘ありがとうございます！本編では"総司"のままだった気がしたのでそのままにしたのですが・・・。一応直しておきます！これからもこの小説を温かい目で読んでやってください(´ω｀) (2015年3月25日 7時) (レス) id: 647a4018e9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まんさ | 作成日時：2014年8月14日 22時
