再会 ページ5
「勇たちはここにはもういない」
最初なにを言っているのかがわからなかった。
よほど驚いた顔をしていたのか、先生は優しい顔で色々と教えてくださった。
浪士組として将軍の警護にあたる仕事をしに上洛した事、半月ほど前にここを出た事、道場はたたんだ事など・・・。
皆に会えると思ったら、すれ違いを起こしていたらしい。
・・・ばかな。
「お前はこれからどうする・・・?」
「私も明日仕事で京へ行くので、その時に探してみる事にします」
「そうか・・・勇たちに会ったらよろしく伝えておいてくれ」
「はい!」
威勢よく返事を返すと、長居する事は失礼と思って実家に向かう事にした。
実家では、私の帰りを心待ちにしていてくれた両親が庭で待っていてくれた。
12年前の出立の時とまったく変わらぬ場所で。
「父様、母様・・・ただいま戻りました」
二人の前にしゃがみこみ、静かに手を合わせ、外国での土産話をした。
返事はなくとも優しい二人の事だ、微笑んで相槌をうってくれていることだろう。
そう・・・私の両親は、13年前の夏、盗賊に殺されている。
両親の墓や家の中は、近所の人に手入れを頼んでおいたからとても12年人が住んでいなかったとは思えないほどきれいだ。
家に荷物を置くと、土産物を持ち近所をまわった。
・・・手入れをしていただいたわずかながらのお礼として。
もう一度家に帰る頃には高かった日も暮れ、からすが山へ帰った後だった。
夕餉を簡単にとり、明日に備え今日はもう寝る事に。
敷いた布団はふかふかで、お日様の匂いがした。
「おやすみなさい・・・」
疲労がたまっていた私の体はひどく睡眠を欲していたようで、眠りにつくまでにそう時間はかからなかった。
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まんさ(プロフ) - MMさん» 面白いなんて、とても嬉しいです! (2016年3月10日 21時) (レス) id: ab7e40fe20 (このIDを非表示/違反報告)
MM(プロフ) - どっちも面白すぎて、ヤバイです(^O^) (2016年3月6日 23時) (レス) id: db2d6bf4c4 (このIDを非表示/違反報告)
まんさ(プロフ) - MMさん» こちらも見に来ていただけるとは!ありがとうございます! (2016年3月6日 23時) (レス) id: ab7e40fe20 (このIDを非表示/違反報告)
MM(プロフ) - 沖田かっこいい(#^.^#)小説めっちゃ面白い! (2016年3月6日 23時) (レス) id: db2d6bf4c4 (このIDを非表示/違反報告)
まんさ(プロフ) - はるかさん» ご指摘ありがとうございます!本編では"総司"のままだった気がしたのでそのままにしたのですが・・・。一応直しておきます!これからもこの小説を温かい目で読んでやってください(´ω`) (2015年3月25日 7時) (レス) id: 647a4018e9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まんさ | 作成日時:2014年8月14日 22時