いない ページ12
「我々も自己紹介をしよう!」
私の自己紹介に驚いていたのか、その場にいた幹部と思わしき人たちは
近藤さんの言葉の後でも何も言わなかった。
―――普通じゃないし。
昔なじみにも、私の行き先なんて知らされなかったみたいで、土方さん源さんも驚いていた。
近藤さんは・・・なんかさすがというか。
少しの硬直の後、未(ひつじ)の刻の鐘を開始の合図に皆が自己紹介をしてくれた。
子供っぽい少年は隊士最年少の"藤堂平助"―――平助と呼んでほしいらしい。
フェミニスト・・女性を大事にしてそうな赤っぽい髪が"原田左之助"
頭に手ぬぐいのようなものをしているのが"永倉新八"
先ほど案内してくれた青みがかった髪の子は"井吹龍之介"
無表情を貫いていて、襟巻きをしているのが"斎藤一"
表面的には笑顔な、眼鏡をかけた"山南敬助"
ついでに、この浪士組の筆頭は表向き芹沢さんになってしまっていて、新見さんとやらがその腰巾着みたいなもの。―――それが芹沢派。
近藤さんを土方さんと山南さんが裏で支え、ここに集まっている人たちがついているのが近藤派。
殿内と他数人からなる殿内派。どっちつかずが数人。
―――やはり派党があるのか。
あるのは想像ついてたけど、なにせこっちの分が悪い。
数と腕は上でも、学識とつてがない。
なるほど、土方さんの眉間にも皺がよるわけだ。
「わりと厳しい状況なんですね」
「ああ・・・」
「状況はわかりました。・・・ところで宗次郎の姿がないようですが?」
・・・そう、彼らの話では共にいるはずなのにこの場にいないのだ。
集団で嫌がらせじゃあるまいし。
その言葉に答えたのはこの場にいたものではなく
「土方さーん、稽古でもして未の刻に来いって言っておいて、なんで部屋にいないんですか?」
12年前よりも背の高くなった彼本人だった。
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まんさ(プロフ) - MMさん» 面白いなんて、とても嬉しいです! (2016年3月10日 21時) (レス) id: ab7e40fe20 (このIDを非表示/違反報告)
MM(プロフ) - どっちも面白すぎて、ヤバイです(^O^) (2016年3月6日 23時) (レス) id: db2d6bf4c4 (このIDを非表示/違反報告)
まんさ(プロフ) - MMさん» こちらも見に来ていただけるとは!ありがとうございます! (2016年3月6日 23時) (レス) id: ab7e40fe20 (このIDを非表示/違反報告)
MM(プロフ) - 沖田かっこいい(#^.^#)小説めっちゃ面白い! (2016年3月6日 23時) (レス) id: db2d6bf4c4 (このIDを非表示/違反報告)
まんさ(プロフ) - はるかさん» ご指摘ありがとうございます!本編では"総司"のままだった気がしたのでそのままにしたのですが・・・。一応直しておきます!これからもこの小説を温かい目で読んでやってください(´ω`) (2015年3月25日 7時) (レス) id: 647a4018e9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まんさ | 作成日時:2014年8月14日 22時