忘我 (ページ9)

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（完） mark ページ9

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『ごめ、』

乗り終えてすぐにトイレに走った。

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あり合わせの水があってよかった。

男のトイレにしては長過ぎる時間をトイレの中で過ごして
ほんの少しだけ落ち着いてからトイレから走って出た。

「マーちゃん…」

『ごめん』

미안해～～ 미안해～～とはずっと言い続けることはできるけど
それ以上のことは言えない。

「大丈夫、！もう帰ろっか？」

…？

「わたしさ〜これから雨降るんだと思うんだ〜」

『…なんでわかる？』

「膝痛いの。
わたし雨とか雪降るとかって膝痛むから…
だからもう帰ろっか？」

そっか… それなら帰った方がいいのか……

「でもねマク、もう少し休んでこっか？」

彼女に手を引かれる。

「わたしの空から雨が降ってるから、
取り敢えずそれを曇りにしてあげないと…！」

彼女はたまにこうして

比喩的表現を出してくる。

「マク、わたし、あんまり匂いが出ないような…
あ、アイス、！食べたいから、あそこ、！座ろ！」

僕の空が笑う。

僕の空は晴れ曇りだ。

『ヌナ、ありがとう』

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．

ヌナが言った通り

車に乗ってからすぐに雨が降ってきた。

「わ、晴れたかな？」

『えー？』

「晴れたみたい。よかった〜！」

そう言ってヌナは俺の頬を撫でてくれた。

『ハニー、ありがとう』

赤信号でバニラが香るその手を取ってキスをした。

僕は僕の空を永遠と晴れ模様にしてたい。

(完)