忘我 (ページ45)

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翌日、

ミニョンが仕事に出た隙を狙って
引越し業者に荷物を引き渡して

わたしは飛行機に乗って
アメリカへと向かった。

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過去一の大恋愛だった。

テーブルの上に一輪のピンクのブライダルベールと
涙で濡れた手紙を置いてきてしまった。

これで良かったんだ。

ミニョン、

マク、

どちらの姿でも愛おしかった。

わたしが守りたかった。

ミニョンの愛おしい存在を。

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それから2ヶ月して
予定日通りに待望の女児がこの世に誕生した。

わたしを困らせることなく
陣痛から20分程度でするんと出てきてくれた。

どうしよう。

「ミニョンにそっくりだ …」

また、ミニョンを思い出して涙が溢れてくる。

掻き消したはずの気持ちが込み上げてくる。

「バイオレット…
愛らしくて、あの人にそっくりで …」

バイオレットと名付けた。

誰からも愛されそうな可憐な名前。

韓国名はマホ日本名みたいだけど、
マークを守るで마호 … みたいな。

きっと、ミニョンが隣に居たとしても
こんな名前を付けたと思う。

韓国名は違うと思うけどね。

「トトってあだ名にしようか？」

明日、バイオレットと共に退院することが決まり、
バイオレットが五体満足で誕生したことを
ミニョンに感謝しながら眠りに就いた。