忘我 (ページ44)

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『ヌナ？』

ヌナが2人のベッドルームじゃなくて
自分の部屋のベッドに行った。

どうして？

どうしてそんな態度を取るの？

もしかして……

俺と… 別れたい ……？

『ヌナ、話し合おう』

布団を優しく捲れば蹲って泣いてる。

どうして？俺のせい？

…俺が何かした？

俺達うまくやって来てたはずなのに……

『ぬな…』

肩を抱き締めることしかできない。

教えてほしい。

俺のどこが行き届いてなかったのかを。

「わたしたち… わかれる、？」

『わかれる？』

「わかれ …ようか？」

『ヌナ？どうして？』

無理だよ。

絶対に離せない。

「アメリカに住みたい」

『え？仕事？異動出たの？』

「異動 …するの」

よく分からない。

その言い方ならヌナが志願したようにも聞こえる。

『もう決まったの？』

「… 決まりかけ」

『… 遠距離でもいい。
俺がいつかアメリカに移住する』

「ミニョア、」

ずっと首を横に振るんだ。

付き合った時に嬉しい嬉しいって言いながら
流した涙とは違う涙に見える。

暗くても分かる。

「マクのセンスを認めてついて来てくれてる人達を
簡単に見捨てちゃいけないよ」

何で今更気付いたんだ…

ヌナの部屋が段ボールだらけだ。