忘我 (ページ5)

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．

ギター… 教えてもらってるんだよね…

いや、そうだよ。

しっかりしろ自分…

『…ヌナ？』

「う、ん」

『今少しだけ指ずらしたの！
これがEコードです！』

「…う、うん」

この子、カナダからこっちに来たんだもんね…

スキンシップに慣れてて当たり前…か、

『…あの、』

「ん？」

『ごめんなさい… ヌナの手、触っちゃった…』

耳の近くで謝られてドキッとする。

しかもいつもよりも低い声で……

『…ヌナ？』

「は、はい！」

『ヌナ… 俺に触られるの嫌かもしれないんですけど… 耐えて…』

「う、うん…」

『はぁ〜… なんでこんなに暑いんだろ？』

わたしから一旦離れて

涼しい風を求めて自分自身の手で
新しい風を扇ぐマクくん

『あれ… ヌナから離れたら涼しくなりました』

「えぇ…？」

『よし、やろう！ヌナ！やりますよ！』

そう言われて頑張った。

．

来る日も来る日もマクくんとの接触に耐えた。

『わぁ… ドキドキする…』

『ヌナはドキドキしてますか？』

『なんで俺だけが暑いんですか？
ヌナも暑いですよね？嘘ついてますか？』

とか意味の分からないことを

コードを教えてもらってる時に…

急に耳元で言い始めるマクくんに耐えた。