忘我 (ページ21)

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ミニョンくんがふざけて
『ヌナァ、♡』って言ってくるようになって

初めはお腹がきゅうってした…

可愛い一面、初めて見せてくれたから……

それに慣れてきた頃、

『ヌナ〜〜〜！』

枯れ葉が散って木の枝に希望がなくなった頃、

『久し振り〜大邱も久し振り〜よーよー！！！』

約束通り、
ミニョンくんが大邱まで遊びに来てくれた。

．

．

関係性に慣れてきてしまったのか

お家でまったりしようってことになって

ミニョンくんと映画観よっか〜って
赤ワインを用意してソファに座った。

『実は俺インドアなんだよ』

「へ、？そうなの、？」

『見えない？』

「うん… 友達多そうだし…」

『まぁ… 友達はいるけど、
休日は家で静かにしてたいかもなぁ』

「そうなんだ…」

『Aは？』

「わた …」

“わたしは、ハイブリッドかなぁ…”

そう言おうとした時、

お尻から全身に揺れを感じた。

「…？なんか揺れて、！？」

『え？』

すぐに揺れ始めた世界。

『大丈夫、大丈夫』

ソファでミニョンくんに抱き締められる。

抱き締められたと言うよりも
わたしに身を預けて守ってくれた。

片方の手はわたしの背中に回ってて

もう片方の手は
わたしの首の後ろから頭に置いてくれた。

『大丈夫、大丈夫…』

地震だった。

こんなにも大きな地震を体験したのは初めてだった。