忘我 (ページ16)

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わたし達はあれから毎日連絡を取り合った。

『アニ〜なんで浮気されたんだろ…』

一ヶ月後、

ミニョンくんが予定通りに来てくれて

大邱で隠れ名店として有名な居酒屋で実現した
幻の二人での飲み会。

「お仕事優先し過ぎちゃったからじゃない、？」

『だから同棲しようとしたのに…』

タイミングだと思う。

正直、彼らはタイミングが合ってなかった。

故に性格の不一致も大きい(後々出てくる)はず。

『あー… 俺のプライドズタズタ〜』

トロンとした目で
焼酎の空き瓶の口を覗き込んでるミニョンくん

もしかして… 酔ってる？

『優しくしすぎたかな…』

「そんなことない」

『アニ、アニやめた。忘れればいいんだ』

「うん。わたしが手伝ってあげるから、！」

焼酎瓶を掴んで

焼酎をグラスに注ごうとすると

『まくがやる、』

ミニョンくんに焼酎瓶を取られてしまった。

「まく、？」

『ぁ〜俺の名前、実はイ・マークがメインなの。
カナダ国籍だからミンヒョンは久々に名乗ってるよ』

わたしにとって重大な事実を

焼酎をトポトポとわたしの注ぎながら

大したことなさそうに言ってくる。

「そ、っか…
うーんと、それならわたしはマークくんって呼んだ方が
ミニョンくんはやりやすいかな？」

そのセリフで頬を赤らめる彼、

わたしが何かしただろうか…

それとも風邪引いた…？

『アニ、っ … やりやすいってヤッカン、 …』

「ヤッカン？」

ハッとした表情をして首を…
というか、顔を横に振るミニョンくん

『俺はミニョンくんの方が … このままがいい …』

わたしの焼酎グラスをわたしの手中から奪い取って

一気に飲み干すミニョンくん…

「ミニョンくん…？」

『んんん… ミニョンイねー…
早くAの家に帰りたくなっちゃった…』

お酒のせいで熱の篭った目で熱い視線を向けられる。

えええ、！！！

どうしよう…… かわいい……

そっかぁ、それならお家帰ろうね、？って
言っちゃいそうになる……

「帰る…？」

『うん、』

グズグズしちゃう前の子どもみたいに
手をグーにして目を擦ってるミニョンくん