恍惚 (ページ44)

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（続）ページ44

．

『ヌナ、手伝います！』

手伝いたくて仕方なくてヌナの後ろをついて回る

「マークさん、お仕事帰りじゃないんですか…？」

『練習帰りです』

「は、っ… わたし、ごめんなさい！
甘えちゃいました…」

“甘えちゃいました” は凄く罪深いよヌナ

『…… 気にしないで、甘えてくださいヌナ』

「い、いや甘えられないです！」

『ヌナ、俺が良いって言ってるんです。
言うこと聞いてください』

周りから固めてやろうと思ったけど、
周りもクソもない立ち位置にいることを忘れてた。

「忙しいのに、その、負担はかけたくないです……」

『ヌナからのお願いはなんでも叶えてあげたいです』

「… ？」

『だから、その、俺が今、
ヌナのこと知れてなくて困ってるから、！
とりあえず、連絡先… 交換してください』

韓国語がわからない

なんで困ってるヌナを助けたいって言って

俺が困ってるから助けてって言ってんだよ

ほんとに俺って馬鹿だ。

．

「誰にも、言わないから…
だから、これ……」

差し出されたスマホ

そこにはカトクのQRコードがあった。

それを読み取った瞬間から

ヌナを深く記憶してロックオンした。

俺の一目惚れ、絶対叶えて見せる。

①end.