恍惚 (ページ34)

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ちゃんと起きて張り切って車を飛ばす。

途中途中でヌナが

『ん …っ、マクおきた、？』

なんて寝惚けた声で言ってたけど、
こっちも寝てるフリしてるから無視した。

．

数時間運転したらすぐに家に着いた。

夜明けの高速道路のお陰で誰にも迷惑かけずに
家に帰ってくることができた。

．

家に侵入する前に電話を切って、

すぐに鍵を開けた。

ドアを開けると出迎えてくれたのは
おかしいほどの数の酒瓶と空き缶。

と、酒臭い空間。

抜き足差し足忍び足でベッドに行って、

ヌナに馬乗りになる。

呑気に夢見てるみたい。

唸り始めたヌナ

苦しいなら早く起きればいいのに。

早く起きてほしくてキスしまくった。

色んなキス。

ねっとり絡めたらヌナに残ってるアルコールが
俺の脳を支配し始めた。

．

「っ、！マ！クっ、！」

『楽しかった？』

「…うん。あ、！あ、ううん！」

正直者。バカみたい。でもそれがいい。

俺も駆け引きができないから、それでいい。

『また同じこと繰り返したね。
それになにこれ？今度は家に男上げたの？』

ヌナが言い訳しないように詰める。

『取り返しつかなくなったらどうするのさ？
俺のことなんだと思ってるの？』

『それとも人の話聞けないだけ？』

『何か起こってたらどうしてたの？
誰も助けてくれないんだよ？』

『俺が迎えに行ける時だけだよって約束したよね？』

『なんで嘘ついた？もう信用できないよ？』