8話（訂正） ページ8
「なっ！？これっ……！」
思わず両手を見つめる。
黒くて長い隊服に包まれた体を眺めた。
一年前最後に着ていたのと、全く同じだ。
太刀川隊の、私用の隊服である。
「……ボーダーの名簿から、Aの名前は削除されてないよ」
迅さんの声が、頭に残って、顔がひきつる。
つまり私は、まだ太刀川隊だということになる。
「そ、れを……っ」
「……」
「それを、太刀川隊は知っているんですか……！？」
その場から動かない迅さんに詰め寄って、その顔を見上げる。
青くて冷たい瞳が、フッと優しくなった。
私の頭を撫でるように手を置いて、「わからない」と呟く。
「ボーダーはAがまだ隊員であることを隠してる。表上はAが辞めたことになってる。……ただ」
「？」
「決定の場に太刀川さんはいた。だから、太刀川さんは知ってる。けど太刀川隊が知ってるかどうかはおれはわからない」
言い切った迅さんは、私の頭から手を離した。
トリガー解除、と呟いてしゃがみ込む。
涙は出てこない。
「……迅さんは、私にどうして欲しいんですか」
あれだけ私に興味のない目を向けていた太刀川さんのことだ。
どうせ、上層部の決定に従っただけだろう。
このことには、迅さんが関わっているから。
どうせみんな、迅さんの言葉に流されただけだ。
唇をかんで、手の中のトリガーを握り締める。
「あー……簡単に言えば、ボーダーに戻ってほしい」
その声を聞きながら、私はゆっくりと顔を上げた。
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バターサンド - いつでも更新、待ってます！ (2022年8月27日 9時) (
レス) @page43 id: 2e7d8d77ae (このIDを非表示/違反報告)
バターサンド - 更新やめちゃうんですかね…… (2022年1月7日 10時) (レス) @page43 id: 6f8a91581c (このIDを非表示/違反報告)
ホタル - ただいま更新されているものまで読み終わりました！何故か僕も泣きたくなりました。とても良い作品です、頑張って下さい！ (2021年11月4日 22時) (レス) id: 675fe13a03 (このIDを非表示/違反報告)
まっちゃ - 読ませて頂きました。なんだか込み上げてくるものが...。更新頑張ってください！応援してます！！ (2021年1月23日 21時) (レス) id: ba5c7b2e62 (このIDを非表示/違反報告)
ダーク(プロフ) - MIELさん» ただいまです( ；∀；)！更新がんばります！ (2017年12月12日 18時) (レス) id: f48000c1c7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ダーク | 作成日時：2015年12月12日 23時
