7話 ページ7
迅さんの部屋は、相変わらず薄暗い。
ぼんち揚げの箱とベットや机だけの生活感のない部屋に、
振り返った迅さんは、私の記憶と何も変わらなかった。
電気をつけないのも、多分私がそのほうが落ち着くことを知っているからだろう。
「さ〜て……A」
「……っ！」
こっちを見る目が、スっと細められる。
思わず一歩下がった。
ドアに背中がぶつかる。
「これを起動してみてくれ」
「っこれ、は？」
「……なんだと思う？」
迅さんの手の中にある、トリガーに手をかける。
1年間、忘れることはなかった自分のトリガーによく似ている。
普通のトリガーなのだから、当たり前なのかもしれない。
迅さんは何も言わない。
一年も経ったのだから、私のトリガーはとっくに他の人用になっているはずだ。
ボーダーにとって、私のトリガーを残しておくメリットなどないのだから。
「普通の……トリガーですよね」
「Aが起動すればはっきりする」
手足が冷えていくような感覚に襲われる。
緊張がピリッと全身を包んで、手にしたトリガーを思い切り握り締めた。
「起動する、だけですよ」
分かっている。
ここでトリガーを起動するということは、そういうことだ。
でも
「それでいいよ」
「っ……トリガー起動！！」
もしかしたら
はっきりするかもしれないと思った。
『嫌われ易い体質』と無駄に良いらしい運の、どっちが強いのか。
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バターサンド - いつでも更新、待ってます！ (2022年8月27日 9時) (
レス) @page43 id: 2e7d8d77ae (このIDを非表示/違反報告)
バターサンド - 更新やめちゃうんですかね…… (2022年1月7日 10時) (レス) @page43 id: 6f8a91581c (このIDを非表示/違反報告)
ホタル - ただいま更新されているものまで読み終わりました！何故か僕も泣きたくなりました。とても良い作品です、頑張って下さい！ (2021年11月4日 22時) (レス) id: 675fe13a03 (このIDを非表示/違反報告)
まっちゃ - 読ませて頂きました。なんだか込み上げてくるものが...。更新頑張ってください！応援してます！！ (2021年1月23日 21時) (レス) id: ba5c7b2e62 (このIDを非表示/違反報告)
ダーク(プロフ) - MIELさん» ただいまです( ；∀；)！更新がんばります！ (2017年12月12日 18時) (レス) id: f48000c1c7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ダーク | 作成日時：2015年12月12日 23時
