目覚めれば、此処。 ページ10
『仗助のクレDで治してよ〜！』
仗助がアルバムから顔を上げる
「別にいいけどよォー、医者に驚かれるんじゃねーかァ？
一応リハビリとかした方が良いと思うぜ。」
「うん、僕もリハビリだけはした方が良いと思うよ！」
『リハビリか…』
苦々しい顔で応える。
病院は小さい頃からあまり好きでは無い。
「じゃあ、一応治しておくけどよォ、ちゃんと安静にしてろよな！」
クレDで私の怪我を治す。
足を動かしても全然痛くない。
『おー、全然痛くない！』
「大丈夫そうだね。って仗助くん達、時間大丈夫なの？」
「あっやべ、俺たちも安静にしてなきゃいけねぇって言われたんだよな！」
『仗助たちも入院してるの？』
「あ、うん。骨折したからね。
億泰くんは仗助くんが治したけ
ど、仗助くんは治せないし…」
『え？骨折してんの？』
全然骨折してるように見えない！！
「まー、腕の骨をチコっとな。
そんな大したことじゃねぇーけど…」
「私たちからしたら、骨折は充分大きな怪我だと思うけどね。」
由花子がため息をつきながら言う。
「仗助があの時私たちを呼んでくれたら、そんな怪我は出来なかったわよ…」
「わりぃわりぃ…でもよぉ〜もしかしたら紀乃は死んじまってたかもしれないんだぜェ？」
「ま、どっちにしろ皆無事でよかったってとこだなー」
「じゃあ、そろそろ行くわね。」
『え？どこに？』
「学校よ…私たち午前中休んできたから…」
「そうだね、もうお昼時だし…また、夕方来れたら来るよ。」
「僕も失礼する。あ、花瓶の花、変えといたからな。」
『あ、皆…ありがとう…』
そして全員スタスタと病室から出て行ってしまった。
残ったのは、鮮やかな花が飾ってある花瓶とアルバムだけだった。
1人って寂しいな…
ふいに私は、現実に戻る。
そうだ、父親が見つかったんだ…
ついさっきのことに思えるが、本当は9日も前のことになる。
父親は私が小さい頃からいた組織のボスだった。
あの後、組織はどうなったのだろう…
もしかしたら、組織が再び私を殺しに来るかもしれない。
でも、まだ生きていられるなんて…
あの時、死ぬと思ったけど…
病室から見える、
銀杏の真っ黄色に染まった葉…
平和だ…
私は、平穏な日常を過ごせることに安心し、また静かな眠りについた。
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-ポン酢→(プロフ) - あんころもちさん» ありがとうございます！とっても励みになりますー！！これからもよろしくお願いします〜！！ (2018年5月8日 18時) (
レス) id: 21daf65d6d (このIDを非表示/違反報告)
あんころもち - 続編おめでとうございます！これからも更新頑張ってください！ (2018年5月7日 7時) (レス) id: beb861d356 (このIDを非表示/違反報告)
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