お袋と涙 ページ35
俺のお気に入りの靴を玄関で丁寧に脱いで、バックを机の上にドスンと置く。
俺はそのまま机に突っ伏した。
旅行から数日後。
紀乃はあれから一回も学校に来ていない。
あの夜の後も俺とは一切話してないし、学校のプリントだのを届けに行った時も居ないふりをして家から出てくれもしなかった。
…俺、嫌われてんのかな？
ふとそう考えてしまう。
ゲームも何もやる気がしない。
ただただ紀乃のことが気になって仕方がない。
重い瞼には、紀乃の姿が映る。
俺は…どうすりゃあいいんだよ？
ーー気がつくと、いつの間にか眠っていた。
跳び起きて時計を見ると7時56分。
随分寝てたみてぇだ。
お腹空いた…お袋はもう帰って来てるだろうか。
『仗助〜？ご飯、食べないの？』
下の階からお袋の声がする。
「おぅ〜ちょっと待ってくれ、すぐ行くぜ」
俺は返事をして階段を降りる。
テーブルには、鍋が用意されていた。
『もう寒いからさー今日は鍋にしちゃった。はやく座って』
広い机の上の鍋を2人で囲む。
じぃちゃんが居なくなってから随分と寂しくなった。
俺が鍋を突くとお袋が首を傾ける。
『ねぇ、仗助。なんかあったの？』
やっぱ母親だな、と俺は思う。
「は？なんもねーよ。」
俺は嘘をついた。お袋を心配させたくねーし…
『や、だってさ、髪の毛跳ねてるよ？いつもだったら家の中でもちゃんとセットしてんじゃん。』
俺は言葉に詰まる。
『仗助。あんた、なんかあるんでしょ。はっきりと言ってよね。』
「…」
なんて言えばいいかわかんねぇし…
そのまま押し黙っていると、お袋が俺の前にくる。
そして俺の頭をわしゃわしゃと撫でた。
「ちょ！何やってんだよ！？」
『仗助。あんた、ホント私の子ね。私に似て、どうしようもない子ね。』
「なっ…」
ーいきなりギュっと抱きしめられる。
『話してよ？仗助の悩み、聞いてあげる。』
朋子は微笑んで仗助をまたわしゃわしゃと撫でた。
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-ポン酢→(プロフ) - あんころもちさん» ありがとうございます！とっても励みになりますー！！これからもよろしくお願いします〜！！ (2018年5月8日 18時) (
レス) id: 21daf65d6d (このIDを非表示/違反報告)
あんころもち - 続編おめでとうございます！これからも更新頑張ってください！ (2018年5月7日 7時) (レス) id: beb861d356 (このIDを非表示/違反報告)
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