sun mart�� ページ12
「じゃあ唐突だが、君はなぜあの組織に入ったんだい？」
『うーん、それは…ですね…
小学1年生の時かな…
私、母親が死んだんで、都会のいとこの家に預けてもらってたんです…
だけど…ある日、いとこたちのいじめが嫌になって、家出したんです。
といっても大したものじゃないですけど。
で、そこで近くの小さな森に行ったら迷っちゃって。
夕暮れ近くになるまで迷った挙句、山の斜面から落ちて血だらけになっちゃって…』
「ほう…それで？」
『そしたら、ある女の子がやってきて私の怪我を看病してくれたんです。
それが、あの伶奈なんです。
伶奈は、私たちの寮を紹介すると言って施設まで送ってくれました。
施設…というのは組織の工作員を養成する場所のことで。
そこには孤児とか家出した子供たちが集まって暮らしてました。
私は、その寮の子たちと仲良くなっていとこのいるあの家に帰りたくないと思い始めました。
それからはよく分からないんですけど…
私がこの寮に居たい、と言ったら組織の方がなんとかしてくれたみたいですね。
ま、きっとお金の力でしょうけど。
それで私は小学1年生の時に家出をして、組織の工作員になったわけなんです。』
そこまで言うと露伴はメモをする手を止めた。
「なるほど…孤児を雇い、組織を拡大していくのか…
ちなみに、母親が死んで従兄弟に預けられた…と言っていたが、君の父親はどこに居るんだい？」
父親…
『私の父親は、
小さい頃に行方不明になって…
死んだと思ってました。
けど…
父親は組織のボスだったんです…』
「ということは、この前、君が殺した人というのは…」
『はい…父親でした。
そもそも財産目的で私の母と結婚したそうです。
なぜ、私を殺さなかったのはよく分からないですけど…
とんだ腐れ野郎です。
あの時、アイツが死んでいなかったら、私も今頃あの世行きだったでしょう…』
露伴がメモを終わらせる。
でも紀乃自身もなぜ父親が娘の私を組織に入れたのか分からなかった。
「…すまない。
悲しいことを聞いてしまって…」
『いいんですよ。というか私は父親の意図が知りたいんです。
露伴先生こそ私に付き合ってくれてありがとうございました。』
そして紀乃はベンチから立ち上がった。
『では、こんな時間なんで失礼します。』
「ああ、今日はありがとう。
気をつけて帰れよ。」
『はい！』
紀乃はそう言って公園から出ると、街灯が輝く夜の路地を歩いて行った。
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-ポン酢→(プロフ) - あんころもちさん» ありがとうございます！とっても励みになりますー！！これからもよろしくお願いします〜！！ (2018年5月8日 18時) (
レス) id: 21daf65d6d (このIDを非表示/違反報告)
あんころもち - 続編おめでとうございます！これからも更新頑張ってください！ (2018年5月7日 7時) (レス) id: beb861d356 (このIDを非表示/違反報告)
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