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"ミッション" ページ2

伶奈の目は虚ろでどこを見ているのかわからなかった。


『…次はお前だけだ、紀乃。
きっちりやられた分だけ返してやるぜ…!』

そういって仗助はにらみこむ。

けど、その姿もめまいがしてよく見えない。


何か生温かい物が、喉を通り抜ける。

また血が口から吐き出た。

背中がボキボキ鳴っている。
骨が折れたのかもしれない。

体が悲鳴をあげている…

時計を見ると、11時51分。

ああ…もう明日が来るまで9分しかない。

駄目だ。課題は果たせない。


私はここでコイツを倒すしか…生きる方法が無い…


手がピクッと動いた。

腕がありえない方向に曲がっていた。

嘘でしょ…?

手を動かしてるはずなのに…

手が動かない。


紀「じょ…すけ…あんたを…
ぶっ殺すッ!」

1つ1つ、体から吐き出すように言った。
喋るのもやっとだ。


ようやく動いたその腕を仗助へ振り落とす。

けれどその力は、片手で抑えられるくらい弱い力だった。

仗助に片手を掴まれる。


『お前は…何のために闘ってんだよ?』


片手を離そうと力づくで引っ張るがその代わりに痛みが走るだけで、相手は容赦なく腕を掴んでくる。

『なぜ、俺なんかを倒すんだ?別に俺を倒しても意味ねぇだろ?…』


知らないよ…そんなこと…

よく分かんないけど、目の前に課題…"ミッション"があるから戦ってるんだよ…


それを口に出そうと思ったが、パクパクと口を動かすだけしか出来なかった。

『俺を倒してどうすんだよ?』





あれ…?
何で私は…こんなところにいるんだっけ…?

お母さんは…?
お父さんは…?

え…?
私って…何?

何のために生きているの…?

今までの人生が他人の事のようだ。

ずっと他の人の人生を見ていたような…

でもこれは、自分の人生だ。
これは…現実だ。

じゃあ今まで積み上げてきた物は一体何のために…?


紀「ねぇ…私は…誰…?」

やっと言葉に出来たのは、それだけだった。

目に涙が溢れる。


仗助は私をただ見つめるだけだった。


今まで黙っていた億泰も息を詰めてその様子をみていた。


腕時計の針は12時を指している。


ああ…課題は達成出来なかった。

上からの命令を達せないと、どんなことが待っているのか。

それは小さいころからよく教わっていた。


「守れなかった…。巫 紀乃は、ミッションをクリアしなかった…」

よく響く声が静かな町にこだまする。

「そうだよな?紀乃。」

ボス→←生きるか、死ぬか?



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設定タグ:ジョジョ , ジョジョの奇妙な冒険 , 四部   
作品ジャンル:アニメ
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-ポン酢→(プロフ) - あんころもちさん» ありがとうございます!とっても励みになりますー!!これからもよろしくお願いします〜!! (2018年5月8日 18時) (レス) id: 21daf65d6d (このIDを非表示/違反報告)
あんころもち - 続編おめでとうございます!これからも更新頑張ってください! (2018年5月7日 7時) (レス) id: beb861d356 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ポン酢 | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2018年5月1日 22時

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