だけどこんなに君が好き《part.3》【ARS N】 (ページ10)

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102.打ち上げられた君と僕とのStory。《side.K》ページ10

遠のく意識の中で
色んなもの、色んな人が走馬灯のように駆け抜ける、

塗り替えられたはずの記憶はモロモロと剥がれ落ちて。

最後に目の前に浮かんだものを認識しながら

あぁ、俺終わってんな、って思ったんだ。

和「笑ってんじゃねぇよ、ばーか」

ｰｰｰｰｰｰA。

＊

＊

＊

鈍い頭の痛みで目を覚ますと
白くて無機質な世界がぼんやりと広がっていく。

病院………か、

視界の端に「カズナリ…！」と声を荒らげる異国の同僚が入り込んできて

やれやれ大騒ぎだな、と気が重くなる。

フラッシュバックする、笑顔。

ｰｰｰｰｰｰ離れりゃ忘れる？

どの口がそんなこと言ってたんだ。

結局、俺は変わることなんて出来ない。

ぼんやりとした世界はすぅ、と音もなく冴え渡る。

それならば

俺があいつを変えるしかない。

そう腹を括った瞬間

溢れ出すように白い天井に描き出されていくこれからのストーリーは

アイツにとっては酷く残酷なもので。

倒れた拍子にその辺りのネジがぶっ飛んだんだろうか。

でももう

手段なんか選んでられるほど余裕なんて持ち合わせていない。

苦しんで、苦しんで、苦しんで。

泣いて、泣いて、涙が枯れても

だけどこんなに君が好きだと

言わせてやるよ。

その為ならば

どんなことだってやってのけてやる。